悲しき鬼 2017-09-03 18:02:37 |
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(木漏れ日の眩しさにゆっくりと目を開くと少しの間朝が来たのだと思いながらぼんやりと瞬きをして。身体を起こせば辺りを見回し相手の姿がない事に気付き部屋を出て。庭や他の部屋を探しながら書斎の襖を開けると散乱したままの本の中で崩れるように眠り込む相手の姿を見つけて驚いたように目を丸くして。蝋燭が随分と短くなっていることに、夜通し此処に居たのだろうかと。やがて相手を起こさないようにそっと抱き上げると部屋まで戻り布団へと寝かせ、その髪を撫ぜると悲しそうに「ごめん、鈴、」と小さな囁きを零して襖を閉めて部屋を後にし)
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