碧、……っ!! (目の前の鬼の表情が少しばかり歪んだのを、鈴は見逃すことなく気付いて。確かに言い知れないほどの悲しみに包まれてはいるが、この鬼に抗わねばという心の灯は消えることなくしっかりと揺らめいていて。相手の服をぎゅ、と掴んでは今にも消えてしまいそうな、昼間聞いたら笑ってしまいそうなほどか細い声ではあるが彼の名前をしっかりと呼んでは涙に濡れた瞳でじっと朱色の双眸を見つめ。)