(自由の効かない体が鬱陶しいが、それはおそらく無意識の碧の抵抗で。昨日よりも確実にゆっくりとした動作で屋敷の廊下を進んで行くも飢えた身体が欲するみずみずしい心がこの屋敷の中にあるのは確かで。1つずつ襖を開ける音とともに獣のそれにも似た浅い呼吸が響く。月明かりの下でも紅く、恐ろしいほどに美しく鮮やかなその瞳はただ心を提供する人間だけを探しておりやがて相手のいる部屋へと。)