主 2017-01-16 01:20:26 |
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>柚舞 【那智/先輩と後輩】
……へー、癒してくれるんだ?どっちのあんたで?( 此方から手を離した事を不思議に思ったのか、からかうような声を掛けられ。無表情に視線を前に向けたまま抑揚のない声色で返す。答えなんか聞かずともわかっている。自分とは性格がまるで違うとはいえ、彼女は難なく周囲に合わせる事もその場に応じた演技も出来る。だからこそ偽りの関係を誰にも疑われる事なくここまでやって来れた。そもそも彼女は何故この関係を続けるのか。彼女もまた言い寄ってくる男子にうんざりしている部分もあるのだろうが、彼女ならばきっぱり断る事も可能な筈。周囲の目を気にしながらこんな面倒な事に付き合い続けるメリットなどないわけで。…ああそうか、優しいからだ。素っ気無い彼女が実は優しく面倒見がいい事を知っている。面倒事には関わりたくないと言いながらも困った人を放っておけず然り気無く助け船を出す優等生。言い寄ってくる女子が鬱陶しくて彼女を利用したのに、今や彼女の言動のひとつひとつに振り回されている始末。偽る事がこんなにしんどいなんて思わなかった。小さく溜め息をつくと、彼女の答えを最後まで聞く前に口を開いて ) ──あのさ、もう終わりにしない?俺から言い出した癖に悪いんだけど…正直しんどいんだよね、あんたといるの。
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