主 2017-01-16 01:20:26 |
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>麻友 【陽夏/片想い】
──あー…悪い。俺、今誰とも付き合う気ねーんだ。( 用件を問いかければ目の前の女子が恥じらいながら、しかし意思ははっきりと伝えてくる。どうやら自分に好意を持ってくれているようだが、嬉しく思う反面素直に喜べないのはアイツの顔がちら付くから。いつものように申し訳なさそうに頭を掻きながら無難な言葉で謝るが、大抵の女子はこんな言葉じゃ納得できないと引き下がらないわけで。“確かにこんな理由で断るのも悪いし、付き合う内に好きになるかもしれない”と最終的に根負けするわけだが、何故か今回はそんな気になれない。というのも彼女の存在が日に日に大きくなっているからで。今まで曖昧で狡い断り方をして来たが、これ以上自分の気持ちを誤魔化せないし、他の女を密かに想いながら付き合うのも失礼だ。「あのさ──、」これからはきっぱりと断ろうと口を開いた瞬間、ガタンという物音と共に聞き慣れた声。ハッと視線をやれば案の定彼女がいて。──見られた。別にやましい事をしているわけではないが、心臓が大きく跳ね、目を見開き。背を向けて去ろうとする彼女の名を咄嗟に呼んでいて ) ──麻友…!…悪い、俺好きな奴いるからお前と付き合えない。ごめんな。( 目の前にいた女子に再度向き合いしっかりと告げた後、彼女を追って駆け出し。もう一度彼女の名を呼んだが、何故か振り向こうとも止まろうともしない。しかし直ぐに追い付くと、彼女の腕をぐっと掴んで此方に振り向かせようとし ) …ちょっと待てって、麻友!
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