道化師 2017-01-09 17:02:35 |
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恐怖と恋、ね…一見すれば全く以て違うように見えるけれど、不思議なものね。──死にたいとも思わない、けれど死にたくないとも思わない。嗚呼少なくとも、潜入先の国の暗殺者に殺される、何て滑稽な死に方は厭。
( 静の支配する場に、一つ場違いな音色が面映ゆく響く。其の音が内包するものは賛辞か如何かは最早気にせず、表情も寸分違わない侭に靡く長髪を煩わしげに幾度か掬い総てを背中に持って行き。彼が一瞥を遣った窓辺に倣う様に翠の双眸を向けると、此方には神秘的な美しい月が伺える他何も感知する事は叶わなかったものの、如何やら束の間の談笑をするに決まった様で。黒と翠が一度交わった後、一晩の戯れであればと其の身をするりと彼の元へと寄せては耳元で囁く様に自分の意思を告げ。 )
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