煌　▷▷　無登録　　

…自由だよ？充分。縛る首輪が疎ましいなら、首ごと引きちぎって出ていくから。でも存外此処は楽しいんだよねぇ、だからもう暫くは繋がれていようかなって？だって歩いてるだけでたくさんの人形劇が観られるんだもの！
えぇ…ん、それじゃあ牙を抜かれた飼い犬さんは少し騙る芸術家の真似をして。悲喜こもごもを飲み込みましょう、ぱっくりと大口開けて全部が全部。そうして最後に残ったものを牙にして、終演。
いいねぇ、そういう通俗的な歪み、大好き。君の目で見て、君の指で掴んだ物一つで、もしかしたら明日、一人の人物、国一つの命運が左右されるかもしれない。でも驚き、君は結構良い人だ。嘘に塗れた言葉だと知ってて取り合ってくれてるみたいだし？…あ、怒らないでよ？良い人の君には本当を一つ聞かせよう！吐き出す言葉は虚偽でも真実でもない、ただの素直な世迷言。それが今ある言葉の存在、ね

( トン、トトンと、常ではない足運びで、その場に留まったまま舞うように跳ねては、軽やかに言葉を並べつつ目線を下に騙って聞かせ。すぐ側、今確かに聞こえて、意味もきっと分かっている筈の言葉は何故か独白の様にも聞こえる。それは目の前でその時の言葉を綴る人物と、自身で共有出来るものがないからなのだろうか、なんて頭の片隅に浮かべつつ。綴られた言葉の多くに好感を感じては、その顔をこれ以上無いほどに緩々と、最早それは笑みなのか分からない程までに歪ませて、但しその声音だけは嬉々とした表情で、戯け騒いで言葉を流し