普通の日常をー【非募】

一部屋ずつ調べるっきゃないな
(先ずは父親の部屋から、整理整頓された物の少ない室内に足を踏み入れた途端に反応はゼロ「廊下に居るのか別の部屋なのか…」手探りの状態に小さく溜め息つき)

ダメだ、こっちも反応なし
(父親の部屋の隣にある物置部屋もプツリと反応が途絶え。となると最後に残るは彼女の部屋のみ、最後の頼みの綱に願いを込め部屋に入れば僅かにEMFが反応し)

さて問題、ここで反応したのは吉か凶か
(反応がなければ気のせいに出来た問題だったのに残念、赤く光るランプを示し「君の部屋に誰か居るみたいだけど、俺らはその道のプロだから安心してくれ」彼女を落ち着かせる為ゆっくりとした口調を心掛け部屋の入り口から窓際まで見渡し)

反応はしてるけど、そこまで強くないしな…
(クローゼットやベッドの下、部屋中隅々まで調べたが強い反応はどこにも現れず「居るには居るが…さて、何処にいるか」うっすらとした反応ではわかりずらく小さくため息をこぼし)

こんな弱々しくなってまで出るなよな
(反応があると言っても弟の言う通り消えたり点いたりを繰り返す程度なのだが、手を高く上げた際にやや強くなり「屋根裏でもあるのか？サム、お前手伸ばしてみろ」背の高い弟に部屋の上の方を調べてみるよう顎で示し)

ん？天井？
(真似をするようにEMFを上に掲げると明らかに下の位置より反応が強く、指示されるまま天井を叩いていくと他のところより音の響きが良いところを見つけ)

家の図面があれば見せてほしい
(2階より上に繋がる階段はなく屋根裏は存在しないはずだと女性は答えるが、音の感じからして上に空洞がありそうで。再度腕を伸ばしてみてもやはり上の方が反応が大きい事は確か)

彼女の父親なら何か知ってないか？
(反応からして図面は無さそうなのはたしか、この家の大黒柱である女性の父親なら図面のことか屋根裏部屋の存在を知っているんじゃないかと)

なら店に戻るか。続きは飲みながら聞くよ
(弟の提案に乗っかったところ彼女は何かがいる家には居たくないと考えているようで直ぐに賛成、車で店まで戻る流れになり)

よし、なら行こう。
(彼女の部屋を出る間際、空間がある天井の場所から何か物音が聞こえた様な気がしたがさほど気になることでもなく。店に戻り彼女の父親に図面と屋根裏の部屋のことを聞き）

(彼女は厨房へ弟と二人テーブル席に通され、父親いわく図面はなくしたが彼女の部屋の上部には何もないはずとの返答「不動産屋に聞いてみるか？」注文したビール片手に思い付きを提案しておき)

賛成、不動産屋なら家の間取りがあるかも
(ここまで来て振り出しに戻るのは嫌だと、ビールを一口飲めば近くにある不動産屋を探しヒットしたのはこの街に唯一ある不動産屋「恐らくここかも」携帯の画面を見せ)

また何か分かったら知らせに来るよ
(早速調べてくれる弟の仕事の早さには舌を巻き、こちらの様子を気にする彼女に調べ事の為に一度離れる事を告げ。場を和ませるべくジョッキを思いきり傾け口元に泡の髭を作り)

大丈夫、僕らはその手に詳しいから
(不安そうにこちらを見つめる彼女に軽く笑みを浮かべなら手を振り、残りのビールを飲みきり会計は任せたと肩を叩いて先に店を出て)

おいおい、また俺の奢りかよ。また来るから、何か変化があれば電話してくれ
(弟には小言を彼女には安心して貰う為の優しい言葉をプレゼント、会計を済ませ外に出た際窓から見えた彼女に向かって片手を上げ直ぐに弟に追い付き)

まずは見取り図を見せてもらう
(店から少し離れており着くまでの間、不動産屋が売った家で何かしら変な事が起こっていないかを調べている中似たような事件が起こった家が数件見つかり）

さて普通に話し掛けて見せて貰えるか
(ダッシュボードの中身を漁り架空の清掃会社の名札を発見「衣装を揃えに行くぞ」不動産屋に寄る前に制服を多数扱う見るからに怪しげな店に寄り道し)

よく見つけたな、こんな所
(街に入ってから気が付かなかっただけか、それとも見掛けたが関係ないだろうと記憶になかっただけか。車を降り怪しい雰囲気を出す店内に入れば、いろんな業種の制服が揃っており)

仕事柄こーゆーのには目敏くならないとな
(違法でないのか疑問に感じる程に巧妙に真似された制服の中から作業服を発見「これで良いだろ」適当に合いそうなサイズを探し、こちらは完全に違法な偽造カードを取りだし)

服は手に入れたとして、車はどうする？
(制服を手に入れ見た目は完璧だろうとして問題は車であり、作業員がインパラのような車に乗っているのはおかしいだろうと)