夕樹 美月 2016-07-23 13:13:25 |
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…駄目、っつったら?
(手を繋いできた相手に、意地悪く笑んでは上記の様に返し。しかし手は離さずに歩き出して。山の冷え込みを痛感しつつ、背中を丸めて猫背になれば、空いている手はポケットに、繋いでいる手もそのままポケットに突っ込んでしまい。)
.. 困る。( 駄目だと言われては困るしかなくて、しゅんとした様子で呟くと手を離そうとして。だが直ぐにポケットに自分の手と一緒に入れられ、ぬくぬくしたその中に思わず笑みが溢れてしまい。そしてそのまま先程タクシーを降りた所に着くと乗り込む前に「 蓮さん、写真撮ろ!」と鞄から携帯を取り出しにっこり微笑み。)
あ? ……
(タクシーに乗り込む気で居たところ、不意な提案に思わず低い声を出してしまい。正直、写真は好きではないが、溜め息を一つ吐いてから、後ろ頭を一掻きし、相手の方へと歩み寄っていって。)
( 嫌々そうながらもちゃんと来てくれる彼に思わず笑みが漏れ。可愛く撮ってくれるアプリを呼び込み、背景に見える紅葉も入れながら斜め上に携帯を掲げると「 はい、チーズ。」とその瞬間にっこり笑みを浮かべて。そして撮った写真を見るとかなり良い感じに撮れており、満足気な表情でタクシーに乗り込み。)
…他に、行きたいとこあるか?
(写真を撮り終えれば、早々とタクシーに乗り込み。そして乗り込んできた相手に、上記の様に尋ねて。己は特に目ぼしい場所も思い付いておらず、相手に行きたい所があれば付き合うし、無ければ宿に向かおうか、と思案を巡らせていて。)
_ .. あのね、泊まる所の直ぐ近くに観覧車があるの。そこに蓮さんと乗りたい、( 他に行きたい所を聞かれると言いにくそうに上記を。実は旅行前に楽しみ過ぎて色々調べた時にあった、田舎なのに唯一ある夜はライトアップされる観覧車に乗りたいとか思っていて。とてもあざといのだがその観覧車の頂点でキスすると永遠に結ばれる何て説があるのだ。断られたらどうしようと思いつつ「 .. だめ? 」と眉下げ尋ねては。)
…いや。 じゃあ、そこまで。
(女ってのはなんでこうも観覧車が好きなのか、己には無い感覚に一瞬眉を潜めるも、断る理由も無く、ダメではないことを伝えてから、運転手に目的地まで行くよう伝え。車窓に目を向けるが、既に薄暗く、外の景色はあまり見えず、窓に映る己の顔を見ることとなり、視線を前方へ戻して。)
( 彼の言葉に頬が緩みっぱなしなのは許して欲しい。そして暫くして観覧車に着きタクシーを降りると目がちかちかする程のライトアップに目を奪われてしまい。浮き浮きと乗り場の所へ向かうと後ろを振り向き彼に手を振り” 早く早く”をしてみたり。)
(タクシーを降りて見上げれば、思いの外けばけばしい観覧車で、僅かばかり眉を寄せ。相手は待ち切れないようで、先へ先へと歩を進め、此方を振り返っては急かすように手を振ってきて。それに軽く片手を上げて応えるが、速度を早めることもなく、両手をポケットに突っ込みながら歩いていき。乗り場まで着き、数人並んでいる後ろに付いて。)
( 早く順番が来ないかな、と目をきらきら輝かせ待ち遠しそうにし。そして漸く自分らの番が来てお姉さんに個室の中では立たない暴れない等の注意を受けると、乗る際に下に空いている隙間に足が入らないように早速乗り込んで。)
(相手に続いて己も乗り込み、相手と向かい合う形で座って。ガチャリと音を立てて扉が閉まれば、狭い空間に二人だけ、しかも密室という観覧車独特の雰囲気に包まれ。そういえば観覧車に乗るのは初めてか?、と記憶を辿ろうとするも、ろくな思い出が無く、直ぐに思考を停止させ、景色に視線を移し。)
( 初めて乗る観覧車に浮足立つようにきょろきょろ目を泳がせ。2人きりという密室で胸の高まりが止まらず、それを隠すように窓の外の景色に視線を向けて。そして黙りな個室の雰囲気に耐えられず「 綺麗だね、」とぽつりと独り言のように呟くと目の前の彼に視線を戻し。)
…あぁ。
(脚を組み、両腕を背凭れの方へ大きく広げるようにしながら乗せ、何の気無しに外を眺めていれば、相手の声が聞こえ、そちらを向いて一言返し。高度はどんどん高くなり、街の光が小さくなって、天辺へ近付いているのが分かり。)
_ 蓮さん、( 窓の外から見る限り段々と頂上に近付いていて。ゆっくりと立ち上がり彼の隣に座ると熱っぽい声で上記の様に名前を呼び。そして「 あのね、頂上でキスしたら永遠に結ばれる、らしいの。」と中々自分からキスをおねだりする何て出来なくて、遠回しに変な所に句読点を付けながら緊張した声音で述べ。)
(相手が隣に座れば、重心がぶれてワゴン自体が傾くのが分かり。横にいる相手の肩を自然と抱いて。すると、何やら緊張した様子で発せられた相手の言葉に、その真意が直ぐに分かり、意地悪く片方の口角を上げては、「…へぇ。そうか。」なんて白々しく答え。それから徐に、覗き込むようにして顔を近付け、唇同士が触れ合う寸前で止め、「……永遠に結ばれて、後悔しても知らねぇぞ。」と低く囁けば、有無を言わさず唇を重ねて。)
( 緊張した面持ちで居ると肩を抱かれいつもの感じに少しだけ安心感が持て。そしてもう少しで唇が触れるという所で焦らす様に囁かれて、その後唇が重なり。だがその暖かい感触は直ぐに消えて名残惜しそうに彼を見ると「 _ 愛してる。」とか言ってみたり。ぐい、と彼の首に両腕回し身体をぴったりと密着させ自分から唇を重ねると何度も角度を変えてみせ。)
(重ねた唇を離せば、相手は更に要求するように己に抱き着き、唇を重ねてきて。それに応えるように此方も口付け、ゆっくりと離れてから、「欲求不満か?」と、からかう様に鼻で笑いつつ、片方の口角を上げ。それなら、と、狭い空間ながらも相手を抱き上げ、対面する形で己の太股の上に座らせては、片手を相手の後頭部へ回し此方へ引き寄せ、深く口付けて。観覧車はもう4分の1程は通り過ぎていて。)
( 滅多と無い自分から求める口付けに彼も応えてくれてとても嬉しく頬緩ませ。そして揶揄う様に欲求不満かと言われると「 蓮さん不足。充電させて、」と頬を染めながら口角上げ述べて。その後も彼の膝の上に座り熱い感触な口付けを交わして、それに夢中になっているといきなりゴンドラの扉が開きお姉さんが” お疲れ様でしたあ! ”と語尾に音符が付く様な声音で言っており。自分は彼の膝の上、火照ってしまった顔。もうお姉さんが赤面する条件は揃っており、途端に顔を紅潮させ膝から飛び降りあたふたと。)
…
(相手の慌てようにフッと口角を上げて面白げに笑み、席から立って降りると「もう一周しちまうぞ。」と相手の手を引いて降ろさせ。赤面している係員の女に軽く片手を上げ、その前を通り過ぎ。相手が付いてきているかどうかは確認せずに、また両手をポケットに突っ込むと先を歩いていき。)
(彼に手を引かれ降りると居た堪れない様に精一杯下を向き心の中でごめんなさいを繰り返し。そして先を歩く彼に小走りで付いて行くと「 .. もう、恥ずかしかった。」とまだ火照る顔を抑えぽつりと呟くも、先程の口付けを思い出しにやけてしまって。)
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