夕樹 美月 2016-07-23 13:13:25 |
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切符はもう手配してある。
(先日、組の若い奴に買いに行かせており、尻ポケットから財布を取り出し、そこから切符を出してみせて。相手の分を手渡せば、軽い荷物を片手に改札の方へと歩き出し。)
あ、ありがとう。( 何だか買ってきてくれた人に悪い事したな、とか思い自重しながらお礼伝え切符を受け取り。そして自分も荷物持ち切符通して改札を通り、ホームに出ると結構人が居てもう直ぐ新幹線が来るんだなと分かり。暫く待つと大きな新幹線が轟音と共に現れ「 新幹線だ、凄い!」と1人はしゃぎ、彼の腕をぱしぱし叩いて。)
お前、ガキみてぇに騒ぐな。
(初めてとは聞いていたが、ここまで嬉しがるとは思っておらず、ため息混じりに上記を。新幹線が停車すれば、切符をポケットから出して座席の番号を確認し。暫くしてから扉が開き、グリーン車へと乗り込んでいって。相手が付いてきているかは確認せずに座席まで辿り着き、そこに腰を下ろし。)
( 何か怒られた気がするけどそんな事はお構い無しに喜ぶばかりで。そして彼の後ろに付いて行き、自分も隣に座ると物珍しそうに目線を動かし。でも成人してる癖にこんなに初めての事が多く一つ一つにはしゃいでいるから周りから釣り合ってないとか餓鬼だとか言われてしまうのかもとふと思うと途端に落ち着き、風の為にぼさぼさになった髪の毛を手櫛で整え気を紛らわせて。)
(横目で相手を視界に捉えては、はしゃいだ様子から一転、急に静かになっていて。すると、乗車時に己らの後ろに付いていた品の良い老夫婦が、前の席だったようで、荷物を荷物棚へ上げようとしていて。その御婦人が此方へ振り返り、先程からの美月の様子を見ていたのか、「ご兄妹で旅行なんて、素敵ねぇ。」と微笑んでから座り。己はそれには軽く頭を下げる程度の応対で。)
( 急に仲の良さそうな老夫婦の御婦人に兄妹、と言われやはり周りからは恋人とは思われていないのかと思うと「 .. ん、はい、」と小さな声で否定はせずにただ自嘲的に微笑みながら述べ。ただ化粧しても童顔は変わらないしヒールを履いても子供だと思われてしまうのはしょうがない、と折角の旅行を台無しにしたくない一心から自分に無理矢理言い聞かせ。そして頬杖を付き眉下げ一点を見つめぼーっとし。)
…ヘコんでんのか?
(御婦人の一言に対する相手の反応が、己の予想通りだった為、フッと鼻で笑ってから嫌味ったらしく片方の口角を上げて、上記の様に問い掛け。)
.. ちょっとだけ。( 新幹線は発車し、どんどん違う景色になって行く外に魅入るように見ており。そして嫌味のように問う彼にちょっとだけそちらに目線を向けてはぽつりと呟くように返し。)
お前、周りを気にし過ぎなんだよ。
(そう言うと相手の顎を指先で掬い、己の顔を近付けて不敵に笑み。「俺のことだけ見てればいいんだ。」と低い声で囁いては弾くようにして顎から手を離し。再び座席に身を沈めると、リクライニングを倒し、目を閉じて、寝に入る準備を。)
.. ッ、( 顎を掬われ目をぱちくりとしていると女の子が言われたい言葉の上位に絶対ある台詞を低音ボイスでさらりと述べてきて。それに顔を真っ赤にしただ茫然とするしかなく、彼が寝ようとしている時も顔の熱さは未だ取れずにいて。こんな事をされたら釣り合ってないとか自分が子供とかどうでも良くなり、表情は晴れ晴れとした緩んだ顔になって。)
(目を閉じて暫く経てば睡魔がやってきて、そのまま眠ってしまい。旅行というのは道中の会話なども楽しむものだろうが、己にはそういった考えが皆無で。むしろ、これまで女と旅行など面倒の極みで行ったことがなく、こうして二人で新幹線に乗り、旅をしていることだけでも、己としては割と色々してやっている、等と自惚れていて。)
( 彼が既に眠ってしまい暇で、携帯で彼の寝顔をこっそり撮る事以外する事が無くなり。仕方無いので自分も寝る体制に入り目を瞑れば意外とすんなり眠気に襲われそのまま寝てしまい。そして暫く寝ていると何やら賑やかな声音で目が覚め、どうやら目的地に着いたようだ。隣で未だ眠っている彼の肩を数回叩き「 蓮さん、着いたよ。」と囁くように起こし。)
…あぁ。
(肩を叩かれれば、スッと目を覚まし、軽く伸びをしてから首を左右に曲げてゴキゴキと音を鳴らし。鞄を手に取り立ち上がり、降車口へ。目的地のホームに降り立つと、何時もの生活圏とは違った香りがしてきて、遠出をしているという実感が湧き。)
( 彼の後ろにとことこと付いて行き改札を抜け外に出ると、自然が多く都会とは全く違う空気に胸高鳴らせ目をきらきら輝かせ。時間はお昼前で長い事座っていたせいか「 私お腹空いちゃった。」と呟くと彼見上げ空腹を訴えては。)
何がいい。
(視線を合わせつつ上記の様に問い掛け。己は然程腹も減っていない為、相手の食べたいものに合わせる気でいて。何にしろ、タクシー移動になることは必至なので、タクシー乗り場の方へと歩を進めつつ。)
.. んん、うどん食べたい。( 何が良いか聞かれると暫し悩み、気分的にうどんだったので上記を伝え。そしてタクシー乗り場に着き一台のタクシーに乗り込むと運転手に「 どこか美味しいうどん屋さんまでお願いします。」と。そして車が出発すると、” 恋人同士で旅行ですか? ” と和かに優しそうな運転手に言われ、思わず彼の腕を数回叩くとにっこり笑い「 はい! 」と嬉しそうに返し。)
(相手の喜びようとは対照的に、フッと鼻で笑っては、窓枠に肘を置いて頬杖を付き、視線は車窓の景色へと向けられ。時折見られる民家の草木は綺麗に色付いており、紅葉狩りも期待できそうだな、と思案を巡らせていて。)
( ああ、こういう事に一喜するから子供だと思われるのかと思うと前髪をちょいちょいっと直し緩んでしまう頬を誤魔化して。そして暫く窓の外の綺麗な景色を見ていると車が停車し、うどん屋さんに着いたようで。外に出て古風漂う老舗っぽいうどん屋さんに入ると、可愛らしいお婆さんが迎えてくれて案内された席に着き、うきうきとメニューを見れば。)
(タクシーの運転手は良い人そうだったので、今日一日付き合ってもらえるよう、支払う料金を伝えて頼むと運転手は快諾してくれ。それから案内されるまま席につき。メニューに目を通せば、「じゃあ… 俺はこれで。」と、かけうどんを指差して美月に伝え。軽く己の胸元に触れ、ポケットに煙草があることを確認しつつ立ち上がり。「…一服してくるわ。」と店の外へ。)
( 注文を決め彼は一服してくると外に言ってしまい。自分は何にしようとメニュー表と格闘しているが数分後結局カレーうどんに決めて。店員さんに2人分注文すると、出された麦茶を飲みながら他にお客さんがいない店内をゆったりと過ごし。)
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