人間模様

時々ネットで話題にあがる迷子紐。
「子供がかわいそう」
「ペットみたいな扱い」
などと言われているが、実は私、20年ほど前に自作でそれらしき物を作り子供に付けていた。

うちの子は年子なので、荷物を持つと一人しか手を繋げない。
元々大人しい子だったので、突然走りだしたりとかは滅多にしなかったものの、念には念を入れなんちゃって迷子紐を作った。

使い方は、徒歩で買い物に行った時と水辺に行った時に使用した。
当時は珍しく、見る人視る人変な顔をする。中には「犬じゃあるまいし紐なんて…」と言う人もいた。そして私は答える。「池に落ちでもしたら大変ですから。子供っていきなり走り出して転ぶんで…。それに私泳げないのでこれはしかたがないと思いますよ。ひもを引っ張ればすぐ助けられるし」で、それ以上突っ込む人はいませんでした。

徒歩で買い物した帰り道で、息子がいきなり路上駐車をしてある車と車の間をすり抜け道路を渡ろうとした。私の目線からは道路上に車が走って来るのが見えた。
そのまま息子が走って飛び出せば轢かれる距離だった。とっさに紐を引っ張り難を逃れたが、車を運転していた男性は、子供の姿が目に入ったのか急ブレーキをかけた。轢いた！と思ったのだろう。
しかし子供は直前で止まっている。何が起きたのか分からないようだった。
「すいません」と頭を下げる私。その手から子供に向かって伸びている紐。理解した運転手は何事も無かったかのように去っていった。


うん…。見栄え悪くても、子供が可愛そうでも、まるでペットのような扱いでも、子供の命を守るためなら何を言われても良いわ！（笑）