マイペース 2015-06-28 12:27:48 |
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護衛艦の姿が消えると、そこに現れたのはソ連軍の軍艦だった。
主砲は自分たちの居る港に向いていた。
住民たちは逃げた。逃げた。逃げた。
逃げ遅れた者は大砲の餌食になり死んだ。
花子は目の見えない叔母さんの手を強く握り、一生懸命誘導しながら走った。
走りながら何度もこの手を離せばもっと早く逃げれると思った事か。
それでも花子はその手を離さなかった。
逃げたその日は、同じ方向に逃げてきた人達と山の中に身を隠し、一晩中震えながら夜を明かした。
辺りが明るくなると、ソ連の軍艦がどうなったのかが知りたくなり、みんなで港が見える丘の上まで隠れながら移動した。
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