マイペース 2015-06-28 12:27:48 |
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そしてとうとう敗戦の日を迎えたが、ソ連軍はなおも進軍してきていた。
樺太に居た日本人たちに、本土帰還命令が出された。
取る物もとりあえず、順番に護衛船に乗り込む。
花子の家族も港で順番を待っていた。
だが、花子の家族の中に、目の見えない叔母さんがいた。
その人の世話をしながら誘導するのが花子の役割だった。
他の大人たちや姉妹は運べるだけの荷物を背負い、そんな余裕が無かったからだ。
しかし、若干七歳の花子にとっては、少々の荷物と盲目の叔母さんの誘導に手間取っていた。
人々でごったがえす港だったので、大の大人でも困難であろう。
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