kon 2015-03-03 05:24:14 |
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>122 鴇臣様
遠慮しないで下さい。…貴方に、聞いて頂きたいこともありますから。
(部屋に相手が入っていったのを確認してから襖のところで小さく頭を下げ、意味深な台詞を口にすると茶を用意するためにそっとその場を離れて。粗末な湯のみに茶を注ぎ、お盆に乗せそれを運んでくると静かに襖を開けて相手を待たせていた自分の部屋に戻るとお盆に乗せたまま茶を相手の方に差し出し、それからそっと畳に正座して。)
…ど、どうぞお寛ぎ下さい。…そ、の…少し、見て頂きたいものがあるのですが…。
(相手に茶を勧め、その傍に控えたままぎこちなくももてなしの姿勢を見せると少しだけ躊躇っているような沈黙を挟んだ後、部屋を後にする前に口にしていた"聞いてもらいたいこと"に関係することなのか相手に話を持ちかけると、畳に手を添えゆっくり一礼してから顔を上げ。そっと顔に巻いている包帯に手を掛け、それを外していくとその下に隠していた鱗の生えた頬が露出し。)
お礼というのは、半ば建前で…この鱗を、妖怪である貴方に見て頂きたかったのです。
>124 桜弥
…ならいい。後始末だけはしっかりしておけよ。
(まるで自分の楽しさだけを追求する子供のような相手の考え方は癪に障るものの、このくらいのことで腹を立てるのも馬鹿らしく感じ相手をきつく睨み付けるだけに留めて。相手の調べた内容に不足はなく、その報告に満足したのか小さく息をついてから摘み上げていた着物を適当に放り投げると猫を抱え直しながら立ち上がり。「…お前、糞みてぇに趣味悪いこと考えてんだろ。」それなりの付き合いがある相手、それだけにこんな時相手が考えるような内容はどうせ次はどう人間を食うかだのといったものだろうと推測でき、相手の方を振り返りながら嫌悪感に満ちた表情を相手に向けるとそちらに歩み寄りながら口を開き。)
…子のいる人間は子供から殺れ、子を亡くした人間ほど醜く滑稽に狂うものはないぞ。
>125 芦屋様
…初めは、恨んでいましたよ。母を見殺しにした憎い人間…いつか探し出して、私の手で殺めてやろうと思っていました。
(人間は自分に同情し、その心を癒してくれる存在に酷く弱いもの。これまで出会った人間たちは皆そんな輩ばかりで、だからこそこうして相手を責めずに心の隙間に入り込んでやろうとしているのに中々相手の傷は深いようで、容易に操れないその心が酷く煩わしく感じ。それでも相手をこの世の誰よりも醜く辛い死に追いやるため、その内情をひた隠しにし相手の発言に困ったように眉を下げながら答えると頬を覆っていた包帯をしゅるりと解いて。)
…それでも、私の苦しみを理解出来るのはこの世に貴方だけ。貴方の後悔を分かち合えるのも、この世に私だけ。同じ母の鱗を持つ貴方だから、私は貴方を許せました。…貴方は、母を救うことも、貴方を守ることも出来なかった私を姉だなんて思えないだろうけれど…それでも、私は貴方をこの世にたったひとりの大切な弟だと思っています。
(今でも憎くて憎くて、今すぐにでも殺してしまいたいくらい恨む相手、だからこそ相手をこの場で食い殺し楽に母と同じ死の静寂に沈めてやるつもりなどさらさらなくて。相手の罪悪感を真綿で包み込みその暗い過去から守ってやるような、酷く優しい言葉で相手の心に入り込もうと試めばぼろりと深い青の瞳から大粒の涙を零し。相手がそんな慈愛ばかりを口から吐く異性に流されるのを着物の袖で後から後からこぼれ出す涙をそっと拭いながら待ち構えて。)
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