主 2015-01-17 11:38:17 |
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>ヴァリー
――あるところに過保護な家族に整えられた、お人形みたいなお嬢様がいました。なに不自由ない暮らし、何も悩むことのない毎日…ただそこにいることだけを求められ、それに疑問すら持たない馬鹿な女の子がいました。
(語り出した言葉は普段より少し丁寧な、それこそ本当に物語をなぞるような言葉で。静かに目を伏せたまま「けれど望まぬ婚姻を決められた時、彼女は気付きました。何もしなければ、自分は本当にただのお人形と同じ。自分という存在の意味がなくなってしまうと気付きました。」ぽつぽつと言葉を続ければ最後にひとつ息をついてから視線を相手に戻し。ふっと笑みを浮かべれば今まで隠しとおしてきた本当の自分を口にして。)
そうして婚姻を拒み、大きな屋敷も綺麗なドレスも伸ばした髪も捨て、ただの「ジャック」という一人になった…――これがジャクリーン・ドロワ・ローゼンブルク、私の過去の物語。…どうだ、面白かったか?
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