【NL】放課後の生徒会室で…

よし・・・まぁこんなもんか。うわ、結構暗くなってるじゃんか
（結構な量の書類の仕事をやり終えると大きく息をついて一度伸びをして。そしてそのまま窓の外を見ていると集中していたせいで気が付かなかったがすっかり暗くなっていて。机に積んである終わった書類を鞄の中に入れるとそのまま帰ろうとするが急に生徒会室のドアが相手驚いたように勢い良くドアの方に顔を向けると何故か帰ったはずの会長がいたため「なんだ会長か・・・。こんな時間にどうしたんだ？忘れ物か？」そう言って部屋を見回して見ると相手がいつも使っている机に何かの課題が置いてあり相手の忘れ物がそれだとわかると安心したように息をついて

ええ、ちょっと課題を忘れてしまって…ああ、やっぱりそこにあったのね(何故今になってここにいるのか、そんな顔を相手に向けられればバツの悪そうな表情を浮かべながら素直にここへ再びやってきた理由を説明し、キョロキョロと室内を見渡せばやはり記憶通り自身の机の上に置いてあり、安堵して。課題を鞄に仕舞い終わり相手へ向き直っては｢結城くん、まさかとは思うけど今まで眠っていた訳じゃないわよね？｣とまさかそんな訳はないだろうと思う一方で彼ならばそれもありえるなんて考えながら問いかけてみて

ん、正解。会長が入ってくるほんの少し前に起きたぞ。さすが会長、俺のことがよく分かってるね
（ちょうどいいタイミングで相手が良い言い訳の材料を言ってくれたためそれに乗るようにして述べて。本当のことを言ってしまうとただでさえ忙しい相手をもっと忙しくさせてしまう可能性があるため黙っておくにしていて「あ、毛布ありがとな。んじゃ、俺は帰りまーす。おつかれーっす」とりあえずはやくここを離れたほうがいいと考えて毛布の件のお礼を言うとそのまま生徒会室を出ていき。

全く…よくそれだけ眠れるわね、ある意味尊敬するわ(まさか相手が嘘をついているとは夢にも思わず、素直に今起きたところだという言葉を信じて呆れながらもよくもまあここまで堂々と眠っていたと言えるものだと肩をすくめてみせて。既に校舎は消灯され暗くなってしまっていて、先に生徒会室を出て行く相手の袖を軽く摘むと｢えっと、ちょっといいかしら？｣なんて少し落ち着かない様子で俯きがちに問いかけて

うぉ・・・っと。いきなり掴むなよ、どうしたんだ？
（このままいつも通り暗い廊下を歩いて帰る気だったが急に袖を掴まれたためこけそうになったが踏みとどまって不思議そうに後ろを向くと何故か俯いている相手の姿を見てどうしたのか尋ねて。いつも大人びてる相手の姿とは想像つかない落ち着きの無さと弱々しさに逆に恐怖を感じてしまい「・・・誰？」とつい無意識に述べてしまい。見間違えるほど全然相手の様子がいつもと違っているため仕方がない

あ、えっと、ごめんなさい…その…せっかくだから途中まで一緒に帰らない？(急に腕を掴んだことで転びそうになってしまった相手へと申し訳なさそうに眉根を寄せて謝罪を口にして、暗い校舎が怖いだなんて恥ずかしくて素直に言える筈もなく、今まで一度だって提案したこともないようなことを口走っていて。こちらを何やら恐る恐る見ながら誰？だなんて相手が聞いてくると｢…どういう意味よ｣なんて少しだけいつもの調子にもどって恨めしそうな表情を向けて

はぁ・・・仕方ないな。ほら、行くぞ
（恨めしそうな顔を見てすぐ顔を反らすと一度ため息をついて上記を述べて。見るからに暗いのを怖がっていることは分かるがそれを言うと大変な目に合いそうなため黙っておくことにして。相手の手を袖ではなく自分の手と繋がせると「とりあえず校舎を出るまでだ。俺がいるから安心しろ」特に何も意識してはいないのだが相手を安心させるようにそう言うと手を繋いだまま歩き出して

コホン…、たまにはこうして役員と友好を深めるのも悪くはないわね(変に勘ぐられる様子もなく、どうにか一緒に帰れることになると少し安心したのか気を取り直すように軽く咳払いをして今更ながらに余裕な様子を見せて。しかしやはり完全に恐怖心が消えた訳ではないようで、握られた手をこちらからもギュッと握り返して｢あ、安心って何よ…まるで私がこの暗い校舎を怖がっているみたいじゃない…｣恐怖心のせいか言わなくていいことまで言って、明らかに自爆しているが気にする余裕は無いようで

・・・、俺が怖いんだよ。お前がいなかったら今頃やばい。ありがとな
（なんだか聞いてもいないのに色々言って自爆し始めたことに素直じゃないなと呆れて小さくため息をつくと適当に考えた嘘を言い立場を変えて。指摘すると色々面倒なことになりそうなため自分が怖いということにすると繋いだ手をギュッと握り「にしての暗いよなー・・・、今にでも寝そうな暗さだよ」実際今でもかなり眠いため目を閉じて横になったらすぐ寝れる自信があり、暗い廊下を見渡してどこか嬉しそうに述べて

そ、そう、大丈夫よ私がついているわ(自分が頼りにされているとわかると、途端に気が引き締まり先ほどまでの狼狽えようが嘘のように胸を張り虚勢を張りながら相手の手を引いて玄関へとどんどんと歩いていき。寝そうだという言葉も相手が言うと半ば冗談には思えず｢ここで寝たら今日は本当に帰れなくなるわよ…｣と、そろそろ校門の施錠時間が迫っていることを思い出しながら呟いて

うわー、調子良いやつだな・・・。まぁでも、そっちのほうが会長らしいね
（なにやら急に張り切って自分を引っ張って歩き出した相手の背中を見て相手の扱いやすさに小さく苦笑を浮かべて上記を呟き。「冗談だ、そんなことさすがの俺でも分かってるよ。」寝れるというのは冗談ではないがさすがにこんな状況で寝るわけにもいかないためおとなしく相手に引っ張られるように歩いて。実際この時間まで残ることはいつものことであり施錠をしている先生も自分が残っていることを知っていて頼めば簡単に開けてくれるだろうがそれをしたら相手に知られてしまうため複雑な表情を浮かべて

何か言ったかしら？(独り言のような小さな呟きも聞き逃さず振り返り、自分に関連したものであること以外、内容まではハッキリとは聞こえなかったため少し怪訝そうな表情浮かべながら首傾げて問いかけて。流石に冗談だと相手は口にするがまだ半信半疑で｢…頼むわよ｣と一応更に念を押してから歩みを進めて、会話が途切れ、再び校内に静寂が戻ると恐怖心が湧き上がってきて、汗ばんだ手で相手の手を先ほどよりも更に強く痛いほどに握りしめて

あー、くそっ・・・。見てらんねぇよ。・・・大丈夫だ玲華、俺がいるから怖くない
（更に強く握られた手を見ていい加減見てられなくなったのか覚悟を決めたようにため息をつくと繋いでいない左手で相手の頭の上に手をおくと撫でるようにしながら安心する声音で落ち着かせて。名前で呼んだことなど１回もなく下手したら殴られるかと思ったがそんなことを気にしている暇はなく。普段のダラけた様子ではなく真面目な雰囲気で「周りを見るな。お前は俺だけを見ていろ、いいな？」そう言って軽く笑みを浮かべると歩き出して。普段の自分から考えて言うはずのない台詞に若干恥ずかしさを覚えながらも先を歩いて

なっ!？ゆ、結城くん！？にゃにをっ…(あまりにも急な相手の変化に戸惑い、さり気なく名前を呼ばれたことになど気がつかないぐらいに大きく狼狽えて思わず台詞を噛んでしまい。普段とは全く違う雰囲気を醸し出す相手の有無を言わさぬ様子に圧倒されて｢わ、わかったわ…｣言われた通りに相手をおずおずと上目で見ながら先を歩く相手の後ろを歩いていき

ま、ここまで来れば大丈夫でしょー・・・。よし
（そのまま何も話すこともなく施錠する前に昇降口から出て校門の前に着くと同時に繋いでいた手をパッと離して。繋いでいた手が赤くなっているのを見て相手がよほど怖かったのかを理解すると最初の方の強がりを思い出して呆れたようにため息をついてしまい。自分の家は結構遠くここから更に歩く必要があり２人だったからかだいぶ時間もずれてしまった。「それじゃ会長、俺はこっちだから帰るぞ。気を付けてな。そんじゃなー」先ほどまでの真面目な雰囲気は消えていつもの気だるげな様子に戻り呼び方もいつも通りになっていて。軽く別れ際の挨拶するとそのまま１人帰路について

え、ええ、またね(いつの間にかいつもの調子に戻ってしまっていた相手へと先ほどまでのは何だったのだろうとポカンとした表情を浮かべながら、手をヒラヒラと振り。一人になって冷静になってみると先ほどまでの自身の失態の数々が思い返されて頬が赤くなるのを感じながら自身も帰路につき


(/次の日にしましょうか？

（そですね、そうしましょう！）

っふぁぁ・・・ねみぃ。生徒会の仕事多すぎでしょーがあれは
（次の日の朝、相変わらず眠そうにふらふらしながら学校への道のりを歩いて。昨日も夜遅くまで生徒会の仕事に加えて家が遠いせいで朝も早めに起きなくてはいけないため寝不足で睡眠時間は短くて。眠そうに欠伸しながら「生徒会の人員増やしたほうがいいだろこれ・・・」仕事の多さに会長と自分の２人ではこなしきれない仕事の多さについ自然と文句を口にして。学校が見えてくると今日は授業中絶対寝てやると心に決めてようやく見えた校門へと足を進めて

おはよう結城くん、今日も随分と眠そうね？(登校中、校門付近で相手の姿を見つけると昨日の自身の失態を無かったことにするかのように、あからさまに眠そうにしている相手へと普段と同じ調子で声をかけて｢これでは学校に勉強をしに来ているのか居眠りしに来てるのかわからないわね｣なんて皮肉混じりに言っては小さくため息をつきポケットから缶コーヒーを取り出して相手へとサッと手渡して

んー・・・おお会長。おはよーっす、どうも
（今にも倒れそうなほどふらふらと歩いていると聞き慣れた声が聞こえてそちらの方に向くと我らが会長がいたため軽く挨拶して差し出してきた缶コーヒーを受け取るとその場で開けて一気に飲み干したのはいいがむせてしまい吐き出しそうになったがギリギリ耐えて。少しは目が覚めたのか一度大きく伸びをすると昨日のことを思い出したのか相手の方へ向いて「ああそうだ会長。昨日ちゃんと帰れたか？帰り道ストーカーにあったりしなかった？」最後のやつは冗談だが実際心配でちゃんと送っていくべきだったと後悔していたくらいで、軽く意地の悪い笑みを浮かべて尋ねて

そんなに慌てて飲まなくてもいいと思うのだけど…(渡したコーヒーを一息に飲み干し、むせてしまっているのを見てそれほど眠かったのだろうかなんて考えて苦笑浮かべながらも肩を小さく竦めて。思い出したように昨日のことについて尋ねられると｢ストーカーって…そんなのいないわよ｣自分に限ってそんなものに目を付けられる筈はないとハッキリと言い切ってみせて