小さな彼女と護衛な俺と【NL/女募】

わ、妾なら全然大丈夫じゃ。黒崎こそ怪我とかしておらんかの？
（自分を護ってくれたというのに頭を下げて謝罪の言葉を口にする相手に、むしろこちらが焦ってしまい、首を横に振って。謝る必要など相手にはどこにもないと言うと同時に、あれだけの数に囲まれていたのだ。いくら強い相手とはいえ、もしかしたら自分がこの場へ来る前に怪我を負っているかもしれない…と心配して声をかけて。）

ああ・・・、俺があんな奴ら相手に怪我するわけないだろ。そんなことよりきりあ、本当に大丈夫か？何かされたりしてないか？　
（自分のせいで怖い思いをさせてしまったのにこちらの心配をしてくれる相手に優しさを感じながらも実際何もされていないため大丈夫だと言い。とりあえず今は相手のことが心配で、大丈夫だと言っていたがもしかしたら何かされていたかもしれないと思い。やはり２日連続で怖い思いをさせてしまったのは本当に申し訳なくもし前までの護衛相手だったら自分は簡単でクビになり下手したら殺されていたかもしれない。そう考えるとこのまま自分が相手の護衛を続けると大変なことになりそうだと考えて今日限りで相手の護衛を辞退して違う学校に移ってもらおう、今日の帰りに相手の父親に言おうと決めて

妾はなんともないぞ？本当じゃ。
（自分を心配してくれるが、実際連れて行かれてナイフを突きつけられただけなので怪我があるわけもない。身体的にはなんの異常もないため、真面目な口調で大丈夫だと言いながら頷いて。しかし、相手もなんともないということを直後に思い出して屈託のない笑みを相手へと向け、「…さて、そろそろ行くとするかのう？」と相手の袖を引っ張り、先程男子生徒に連れられた道を戻り、昇降口へとずんずん歩いて行って）

あ、ああ・・・。そうだな
（何ともなさすぎる状態に少し疑問を持ちながらも袖を引っ張られて下校へと移る。普通の人間ならあんな体験して怖くないはずがなく泣いてもおかしくなく、相手の今の状態はもしかしたら強がりなのかもしれないがこっちからそれを言うのも悪い気がしておとなしくしておくことに。そのままズルズルと袖を引っ張られ椿邸が目前になると「今日はお前の父親と大事な話があるからお前は部屋でおとなしくしていてくれ。絶対に来るなよ」そう言って掴んでいた相手の手を離すと家に入っていき相手の父親の部屋へと向かい

妾の父様に大事な話…？
（護衛のお試し期間は一週間と言っていたし、自分の父親に相手が用事を持つ理由が読めずに疑問から一瞬きょとんとした表情で相手を見上げて。しかし、相手の口調は先程男子生徒たちに向けたような冷たさはないものの、言葉には真面目さが伺え、それ以上を尋ねることができなくなり。しかしそのまま黙っていることもできず、「わかったのじゃ。ただ、その用事とやらが終わったら妾の部屋に来てほしいのじゃ。昨日の言ったとおり夕食のお礼をしてないからのう。お主に拒否権はないぞ」と強い口調で告げてから自室へと向かい）

分かった。行けたら・・・な
（小さくそう呟くと屋敷の一番奥にある部屋へと向かいドアの前に立つと一度深呼吸をして部屋をノックすると中から声が聞こえてきたため目的の人物はいるようで中に入っていき。世間話を少しだけして要件を聞かれると「俺をきりあ様の護衛から外してください。彼女がこれ以上俺といると外の世界にでれなくなってしまいます。我々ボディーガードでも対象の心まで守ることはできません。お願いします」それに今までにあった出来事の詳細を話すと頭を下げてお願いして。

……。
（絶対に来るなと言われれば、むしろ何を話しているのか気になってしまう性分ゆえ、誰にも気づかれぬようにと父親の部屋の前で耳をそばだてていて。聞こえてくる言葉は完全ではないものの、どんな内容なのかくらいは聞き取れている。最初こそ黙ってその内容を聞いていたものの、相手が語るその内容に自分の中の何かが弾けてしまい、父親が何かを発する前に勢いよく扉を開いて相手の元へ早足に歩み寄り、「お主は妾をなんだと思ってるのじゃ！？なぜ勝手にそんなことを決めるのじゃ！」と明らかに怒った口調と表情で詰め寄って）

っ、お前・・・なんでここに。絶対来るなと言ったはずだが
（頭を下げていると強くとドアを開ける後がして驚いて後ろを向くと部屋にいたはずの相手が凄い勢いで詰め寄ってきて。明らかに怒っているようだが冷静さを失うわけにはいかないためいつもと変わらない様子で対応してチラッと相手の父親の方を見ると目が合い小さく頷いているのが見えて「お前には明日から新しい護衛がつく。それとあの学校には来るな・・・じゃあな」相手の言葉を完全無視して短く述べるとそのまま部屋を出ていき

なぜ妾を無視するのじゃ！？妾はお主といて外の世界に出られなくなるなどと言った覚えはないぞ。
（部屋を出る相手を追いかけ、腕を引っ掴んで逃げられぬようにしながら再び声を荒らげて。自分の心やこれからのことを勝手に決める上に、こちらの意見など聞く気もない相手に憤りさえ覚えてくるわけで、腕を掴む手の強さも比例するように無意識ながらに強まらせて。「妾はお主に話がある。護衛ならお主も護衛対象の妾にきちんと話すべきじゃ。父様、次の護衛探しはそのあとで頼むぞ」と一気に捲し立てると、逃げるなど許さぬといった視線で相手をキッと睨んで自分の部屋へと腕を引いて）

はっ？お前何勝手なことを・・・っておい。仕方ないな・・・
（このまま真っ直ぐ帰ろうとした矢先またもや相手に足止めをされ無視しようと思ったが腕を捕まれ引っ張られて。振り解こうと思えば簡単に振りほどけるのだが何故かそんな気になれずおとなしく引かれるがままついていって。「お前な・・・俺といると後々後悔することになるんだぞ。」黙って引っ張られるのも暇になりそうでとりあえず相手に話しかけて。

お主は妾のためと言っているが、それは妾のためなんかじゃないと気づいておらんのか？
（部屋へ向かう途中にかけられた言葉に、こちらも相手を引っ張るまま振り返ることもせずに答えて。やがて着いた自分の部屋に相手を入れ、扉を開けたままでは必要以上に人間のいないくせに広い廊下に声が筒抜けになることに気づいて後ろ手に部屋の扉を閉めて。そのまま再び鋭く強い視線を相手に向け、「妾はお主といて不幸ではない。むしろお主のようなやつが護衛で良かったと思っているのじゃ。お主は妾を一人にするのかの？妾は妾の意志で外に出たんじゃ」と告げて）

（/あげさせていただきますね！）

（すみません！昨日はちょっと忙しくて返せませんでした・・・）

・・・。はぁ、返す言葉もないな。
（予想以上に強い意思を持っていた相手の言葉に心が打たれたような感覚になると自分に呆れたようにため息をついて苦笑を浮かべて。正直な話自分も相手の護衛は久しぶりに楽しい思いで仕事をすることができ、つまらなかった日々も楽しく思えて。相手の強い視線と目を合わせて「悪い、お前の気持ちも考えないで・・・。ありがとな幼女・・・いや、ありがとうきりあ」自分のした行動が浅はかだった事を自覚すると笑みを浮かべ感謝を述べて。幼女ではなく名前で読んだのはなんとなく名前で呼ぶべきだと思ったからであり

（/大丈夫ですよー！）

うむ、わかればよいのじゃ！お主が妾の護衛をやめられると思ったら大間違いじゃ。ずっとやめさせるつもりなどないからのう。
（幼女という呼び名から名前へと呼び方を変えたことに気づき、内心少しドキッとするもそれが何なのかなどまでは気づけるはずもなく、頷きながら嬉しそうに笑みを浮かべて。「父上へは妾から言っておこうかのう。それよりも黒崎、お主朝からあの距離を来るのは大変ではないかの？」と、一段落ついて安心したためか、部屋の大きめのテーブル椅子へと座り、相手をその目の前にある椅子に促して）

いや、一週間経ったら多分変わるっての・・・。俺より優秀なボディーガードなんてたくさんいるしな
（止めさせるつもりはない、という言葉に護衛として嬉しさを感じるが契約ではとりあえず一週間だけということでそれを過ぎたら別のボディーガードと変わるためどちらにしろあと５日で終わる仕事であり。自分の部屋とは比べ物にならない豪華な部屋造りを見回しながら相手に促された椅子に座り「まぁ確かに遠いな。でもあの程度の距離逆にいい運動だぞ？もっと酷い時なんてここより倍以上の距離はあったからな。それがどうした？」思い出したくないことなのか顔をしかめながら述べて。早起きは別に悪いことではなくむしろ朝のいい運動になるため別に距離が遠くて困っているというわけでもなく

それはいるかもしれぬが妾はお主が良いと言っておるのじゃ。これ以上に大事なことなどあるかの？
（一週間を区切りと考える相手に少しむっとしたような表情を浮かべ、自分はそんなつもりはないと断言して。そのままの表情で、「それともお主が妾の護衛はもう嫌だということかの？」と不満を露わにした表情で腕組みをしながら尋ね。距離に関しては対して困っているわけではないという相手の返事を聞き、「む…ならよいのじゃ。明日はもっと早く来るのじゃぞ」と有無を言わさぬ口調で言い切って）

（/あげますね！）

（やっと繋がった・・・。すみません！ネットが切れてて・・・今日からはちゃんと来ますので大丈夫です！ほんとすみません・・・）

それを決めるのはお前の父親だから俺には何とも言えないんだけどな・・・。でも、そう言ってくれるだけ嬉しいぞ、サンキューな。俺もお前の護衛は面白い、もっとお前と一緒にいたいと思ってるしな
（まだ少ししか関わっていない自分に向かって自分が良いと言い切った相手に呆れを通り越してもはや凄さを感じてしまい苦笑いを浮かべているが他から聞いたら告白にしか聞こえないことを言った自覚はなく。お互いに座っている状態で相手を見てみると自分と同い年には到底思えず子供にしか見えない容姿に詐欺感を感じながらも言ったら色々言われそうだと思い言わずに「ああ、善処する。」相手が言った言葉に短く言葉を返して頷いて。今よりもっとはやい時間に起きるとなると色々大変そうだが逆にやりがいがでてきて

（/そうだったのですか！いえいえ、お気になさらなくても大丈夫ですよ！いつでもお待ちしておりますので！）

うむ、明日が楽しみじゃ。
（早く来いという自分の言葉に肯定の返事をした相手に嬉しそうな笑顔を浮かべ、何かを納得するように何度か頷いて。そのままふと部屋に掛けられていた時計へと視線を移すと、いつの間にか相当の時間が過ぎてしまったらしく、時刻は大分遅くなっていて。「お主はそろそろ帰ったほうがいいかのう…。あ、今日できなかったお茶は明日するからそのつもりで頼むぞ」と言い、見送ろうと部屋の扉をあけて）

明日か・・・。分かった、俺は帰るな
（また明日これることに若干の喜びを感じながら頷くと開けられた扉から部屋を出ていき。部屋をでたのはいいがあまりにも屋敷内が複雑すぎて玄関まで行ける自信がなく相手へと振り向くと「悪いきりあ、ちょっと玄関まで案内してくれないか？俺だけで行くと迷う自信がある」頬をポリポリと書きながら気まずそうにお願いして。思えば相手の事を幼女ではなくしっかり名前呼びが定着していることに気づくことなく