小さな彼女と護衛な俺と【NL/女募】

はっ、おい幼女。独り暮らしなめんなよ？・・・と言っても、まぁホント簡単なものしか作れないけどな。（若干失礼なこと言ってきた目の前の幼女に対して最初自信あり気に言うも最後の方にはちょっと自信なさそうになっており。伊達にずっと独り暮らししてきたわけではないため、料理というものも当然のようにやって来たが彼女の家は大企業で当然コックもいるのだろう。そんな一級料理とは当然比べ物にはならないが一度庶民の味というものも体験して欲しいという気持ちもあり「まだお前の知らない庶民の味、ってのがあるんだぜ？」そう言うとしゃがみこんで視線をあわせて強気な笑みを浮かべて。

庶民の味かのう…？食べてみたいのじゃ！
（自分の知らない味が存在する、と聞いて好奇心ゆえかあっさりとそれに食いついて。お腹が空いているのももちろんあるのだが、むしろそれよりも相手の料理を食べてみたいという気持ちのほうが強く、早く行こうと催促するように掴んだ袖をぐいぐいと引っ張って主張して）

おいおい・・・、分かった分かった。だから引っ張るなっての。んじゃ、行くか
（思ったより食いつきがよくぐいぐいと袖を引っ張る相手の元気な姿を見て少し安心して。行くぞ、と相手に笑いかけると今度はこっちが相手を引っ張るように歩き出して。そしてしばらく歩いた後に着いた小さなアパートが自分の住んでいる場所で、１階の一番奥である自分の部屋に入ると電気をつけ「狭い部屋だけど適当になにかしててくれ。テレビとかもあるから自由にしてていいぞ」独り暮らしなため当然部屋は狭いが生活するには何も支障はない。そして自分は台所へと向かうと腹をすかせている幼女のために簡単で速い料理を作り始め

嫌じゃ。見ているほうが楽しいからのう。
（何かしていろ、と言われるもばっさりと拒絶の言葉を告げて相手のいる台所へ。普段は厨房に入ることを禁じられているために料理をしているところなどみたこともなく、見てみたいと興味津々で。料理をしている相手の邪魔にならぬようにその姿を見つめながら、「何を作っているのじゃ？」と尋ねて）

うわばっさり・・・。まぁいい、速くて簡単・・・って言ったら野菜炒めだ。
（自分の提案を即答で断られ何故か料理姿を見られてなんだか少しやりづらい気もするが気にせずに冷蔵庫から適当な野菜を取り出すと慣れた手つきで包丁で丁度いい大きさに切って炒めていく。いつもなら辛い味付けにするのだが子供な彼女の事を考えると恐らく辛いのは苦手だろうと考えいつもより辛さを抑えて味付けをして。慣れているため止まることなくスムーズに作業を進めるとお皿に移して「うっし、できた。運ぶからちょっと待ってろ」そう言うとそのままテーブルへと運んでいくとご飯と飲み物も一緒に持って行き。

わぁ、美味しそうじゃのう…！
（スムーズに作業を行う相手に感嘆の声を上げながらその姿を見ていて。やがて出来上がった野菜炒めに目を輝かせ、早く食べたいと催促。テーブルに運ばれるそれを目で追いかけながら、「お主はいつもこうやって料理しているのか？」と視線こそ野菜炒めに夢中なものの浮かんできた疑問を口にしてみて）

いや、いつもという訳でないが・・・。こんな風に時間があるときは大抵自分で作っているぞ？あ、でもお前のコックの料理と一緒にするなよ？そんなものと比べたら当然腕は負ける
（仕事などで遅く帰ってくるときは途中でコンビニで適当なものを買ってそれを食べているためいつもというわけではなく時間があるときだけ料理をしている。だが１人だけで食べるというものは味気なく簡単なもので終わらしてしまい、こうして誰かのために料理を作ったことは初めてでなんだか嬉しく思い笑みを浮かべて。ふと時計を見ると結構いい時間で相手を家まで送らなくてはいけないことを思い出すと「時間も遅くなってきたしはやく食べろ。そしたらお前を家まで送るからな」こんな狭い部屋にいつまでも置いておくわけにもいかないため自分は先に食べ始めて

大丈夫じゃ。父様も母様も仕事で帰っても妾は暇なのじゃよ。…お主は食べぬのか？
（微笑みながら多少遅くなる程度なら心配する者はいないと述べる。食べようかと箸を持つも、どうやら目の前の相手は食べるようではない様子。せっかく作ったのに食べないなどもったいない…というよりも実際のところは一緒に食べたほうが楽しそうだというものからだが、「お主も一緒に食べるのじゃ！じゃなきゃ妾は食べはじめぬぞ」と箸を持ったままの姿勢で強い口調で言って）

分かった分かった・・・。まったく、強情なやつだな
（広い家で１人だけ、ましてや心はまだ子供な相手にとって１人というのはやはり寂しいのだろう。とりあえず言うことを聞いておとなしく箸を持ち食べ始めて。味的には悪くない、むしろいつもよりいい出来かもしれない。ふとなにを思ったのか野菜を口に運びながら前に座る相手を見ると「こうゆう家で二人でいると兄妹みたいだな。もちろんお前が妹だが」子供の頃から訓練しかしておらず家族同士の付き合いは全然やってこなかった自分にとってこのような時間を新鮮に思い、冗談を言うように笑みを浮かべて述べ

いや、妾が姉に決まっておるが…言われてみればそうじゃのう。
（相手にも公言している通り、自分は一人娘であり兄弟や姉妹はいない。食事するときも、自分の世話係として横で立って付き添う者がいる程度で、実質は一人での食事。もしもいたとするならこんな感じなのか…などと考えながら笑みを浮かべて同意して。「…ということは、お主も兄弟や姉妹はおらぬのか？」と、相手の発した言葉から相手は自分と同じ一人っ子なのかと尋ねて）

黙れ幼女、どこをどう見たら姉になるんだ。・・・まぁいい俺は一人っ子だ。だから兄妹というものに憧れを持っていたのかもしれないな
（家族の触れ合いというものがなかった自分は小さい頃は家族の触れ合いというものに憧れを持っていたがいつしかそんな憧れはなくなってしまった。だからこそ家族が誰もない今のこの状況に対して居心地が良いと感じるのはその反動だからだろうか。「今俺は父親も母親もいないからな。ずっと１人で生きてきた。だからこうゆう時間は生まれて始めてかもしれない」目を閉じて何かに浸りながら述べると目を開けて時間を確認して彼女を送るための準備を始めて

なら妾がたまにはこうしてお主の家に遊びに行って遊ぶのもいいかもしれぬのう…。
（送るための準備を始める相手の横で野菜炒めを頬張りながら一言。そのまま野菜炒めを食べ終えるとテーブルを離れて相手の元へと近寄り、「美味しかったぞ。また来た時にも作ってくれるかのう？」と相手を見上げながら頼んでみて）

ああ、また機会があったらな・・・。んじゃ行くぞ、俺から離れるなよ？
（また作ってくれるか、という始めて言われた言葉に嬉しさを感じて笑みを浮かべて承諾すると玄関に向かってドアを開ける。気づいたら外はすっかり暗くなっていて遅くなりすぎたかと思いながら相手の準備が終わるまで玄関先で待ち、こんな時間に１人で歩かせたら危ないため当然のように周りにを警戒して。

そんなことわかってるのじゃ！
（承諾されたことがよほど嬉しかったのか、にこにこと上機嫌そうな笑みを浮かべながら玄関へと走ってきて。そのまま靴を履いて、外へ出ることが楽しいのかはやくはやくと先に外へ出て催促。しかし先程の出来事を思い出したのか、玄関まで走り寄り、相手の服の袖を引いて再び催促して）

はぁ・・・忙しい奴だな。それじゃ行きますか
（自分が先に待っていたはずなのに何故か速くしろと催促されているこの状況にため息をつくと歩き出して。外は暗く、歩く道には外灯がついていて若干気味悪さが漂っているがそんなもの怖がる自分でないため袖を掴む相手を見下ろすと「暗いところは平気か？」そう尋ねるも子供な相手の事だから恐らく苦手だろうと判断すると袖から相手の手を離すと袖ではなく自分の手と繋いで。これで少しは怖さが紛れるだろう、そう考えながら歩き

も、もちろん平気に決まっておるじゃろう。
（外へ出たことがあまりなかったためか、このような暗闇には慣れておらず正直なところは怖い。しかしなぜか素直に怖いと言うのに躊躇いを覚え、慌てた口調で否定。言葉こそは強がる素振りを見せるものの、やはり怖さには勝てないのか繋がれた手を自分も繋ぎ返して）

（/寝落ちすみません！）

（大丈夫でございます！お気になさらず！）

うわ、でっか・・・。おれの家に寄ってから来るともっとでかく感じるなこの家は。
（平気と言っているがしっかり手を繋ぎ返された事を感じると、なにをも言わずに小さく笑い。そして他愛のない話をしながら裏道という裏道を歩いていると見えてきたのは異様に大きな屋敷でこの屋敷が椿邸なのでる。こんな大きな家と比べると犬小屋ほどにしか感じられない自分の部屋を思い出して苦笑を浮かべると門をくぐって玄関の前まで歩き繋いでいた手を離し「よし、玄関の前まで連れてくれば大丈夫だろ。今日はお疲れさん」そう言って一度ポンっと相手の頭の上に手を軽く乗せると一歩下がって相手が家に戻っていくのを待ち

お主もお疲れ様じゃ。…明日はうちに来ぬか？今日の夕食のお礼ということでのう。
（軽くお礼の言葉を述べ、玄関の門の目の前までの短い距離をゆっくりとした足取りで歩いて行って。門を開けようと手をかけるも、手をそのままに首だけくるりと振り返って提案。「それから、明日も迎え頼んでおくかのう」と付け足して）

庶民の俺には場違いな気もするが・・・まぁ考えておく。それと、仕事だから迎えは当然行くぞ
（今まで護衛してきた人の家の中でもトップクラスで大豪邸なこの家に庶民である自分が入っていいものなのか、そう大きな家を見上げてながら思い。そして相手が家に入っていったのを確認すると踵を返して元きた道を歩いて行き。正直ここまで来るのに結構時間がかかったためなかなか面倒くさく「またあの複雑な道歩くのか。にしても暗いな・・・。」真っ暗となった道で夜空を見上げて呟くと１人暗い道を歩き家に戻り