矢谷啓 2014-05-13 19:43:45 |
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引けたらラッキーだって思えばいいですよ。
(風邪を引きたいという相手。引いたら引いたで介抱するが、熱などで苦しむ姿はあまり見たいとは思わない。実際、自分は風邪が長引くタイプなのであまり風邪は引かないように心掛けている、相手は風邪が長引くタイプなのかはわからないが。相手が自分と彼女を重ねているとわかった途端、そんな相手をどうにかして救いたいと思うようになってしまっている。自分は無力で役立たず、そんな自分でも救えるものが一つぐらいはあってもいいじゃないか。守りたいと思うものが一つぐらいあっても許されるんじゃないか。泣きたくて泣けないのは自分も同じで、それでもどこかに縋り付きたい思いがあるのももしかしたら同じなのではそんな考えが頭を駆けると、「オレは貴方の前から居なくなったりしない。啓がオレを必要とするなら、いつまでだってそばに居る。」いつかの自分では気持ち悪いと思っていた言葉がスラスラと出てくる。何なんだ、この気持ちは。今まで忘れていたものを取り戻したような、そんな感覚に頭が痛くなりそうになる。笑えないのなら無理に笑わなくていい。そう言ってあげられるのが正しい答えなんだろう。しかし、先程述べた通り、相手が自分を求めるのならいつまでも側にいるし、何度でもこの冷え切った手を差し出す。助け出せる自信はない、だけど傷付けたり一人にしない自信はある。相手が洗面所に行き、戻ってくると丁度良く食器洗いが終わった。「こんな所でも仕事をするなんて流石真面目くんですね。じゃあ行ってきます」少しばかり嫌味を混ぜてしまったことに後悔しながらバスルームに向かう。正直自分の傷だらけの体は目を背けたくなる。早々とシャワーを済ませそうとして
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