矢谷啓 2014-05-13 19:43:45 |
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笑の部屋で同棲しようか。…うん、俺のことだけ考えてて
(他人が重たいと思っても自分たちにはこの重みが心地よく、むしろもっと重たく、と求めてしまう。一緒に居るのなら直ぐにでも生活を共にしたい。彼女との思い出があるこの部屋も、相手と何処かで共に過ごせるなら薙ぎ払える気がして。「そうだね。笑だけに知っていて欲しい。…病気しても病院行かずに笑に見て貰おうかな。他の人には弱いところ見せたくない」自分だけが相手の事を知っていれば十分、その言葉を今は素直に受け止められる。いつの日だったか相手の幸せを考えた時、自分以外の理解者が相手には必要なのかもしれないと思った事もあって。自分以外の人間が相手を受け止め、相手も同じようにその人に笑顔を向け幸せならば、それは自分にとっても幸せで。もし心許せる友人が居たのなら自分に何があっても相手を悲しみから救い幸せの日々を与えてやれる。しかしそれは考える必要のないことだった。なんと言っても自分たちは生死を共にすると誓いあった仲なのだから。たとえ気の許せる人間がいたとしても相手がいない幸せなど偽りでしかないとすら思え。相手と死を共にすること、それが人生において最大にして最高の幸せ、なんて。そして欲しいと求められれば理性が飛びそうになるが何とか押さえ込んでは、力の入らない体を無理矢理起こし、それでも軽々と相手を抱きかかえると寝室に運んでその傷だらけの冷たく華奢な体を優しく横たわらせて。殆ど背丈は変わらないはずなのにその体は少し小さく見えて、その体と心で背負ってきた重みを思うと胸が苦しくなる。傷付いた手首に優しく触れながら覆い被さるようにすれば相手を見つめながら顔を近づけ「愛してる」と静かに口付けて
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