矢谷啓 2014-05-13 19:43:45 |
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俺も愛してる。笑が俺に笑顔をくれたように俺も笑を守るから
(幼い頃に戻ったような相手だがその涙は色々知りすぎていて子どもが純粋無垢に泣くのとは少し違う気がする。それでもこんな風に自分の目の前で泣いてくれるのは、自分が相手を守ってもいいのだと認められているようで嬉しくて。一人っ子であったため比べられることはなかったが親から受ける敵意と拒絶の重みは身をもって知っていて。そんなことで自分よりも辛い相手の痛みを理解できるとは思わないが辛さを分かち合うことで一人ではないと言うことを伝えたく。「ありがとう。笑のおかげで生きることが幸せって思える。笑の力なんだよ」握られた手を握り返しながらフと弱い自分は現実的でマイナス思考だが甘い言葉の包容力は己より上なのではないかと思ってしまう。一緒に生きていく上で、相手のあらゆる面の幸せを考えられる自分の方が好きだが、時折狂った愛が相手や自分を救うことになるのなら独占欲にまみれた人格も悪くないかと、どこか客観的に平静になっていく自分がいて。首と脇腹の止血をしカーゼを貼るが手首だけは僅かに血が滲んでおりそれ以上血が溢れないようにタオルを強めに抑えて「ごめんね。こんなの認めたくなくて二度としたくないのに…。止められないかもしれない。笑も俺が自分で傷を付けても止めないで。笑と一緒なら少しも辛くないから。笑も同じだよね?」自分の所為で相手が傷付くのが辛く、それを受け止めて貰うことは嬉しくもあり恐怖なのは双方同じで。上手く伝えられない方がもどかしい。「精神科に行って治るほどもんじゃないのにね。…笑と合えなくなったら何するか分からない…この傷もあるし学校なんか止めて二人でどこかに行きたい。ねえ、笑しばらくこうしてよ」精神科でどうにかなるほど自分たちの愛は軽くない。相手が精神科医と居ることを想像しただけで吐き気がする。もし離ればなれにでもなれば死さえ厭わない。相手を力の入らない手で抱き締めながら同じ体温を感じ頬に軽く唇を当てながら、互いの血が床に溶け込むことを望むようにこのままでいようと甘く囁いて
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