矢谷啓 2014-05-13 19:43:45 |
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(もう苦しむ相手を見たくなくて心の中で何度も相手の名を呼ぶのに強欲と狂気が支配して体が自分の意識から離れて操られるような感覚。でも確かにそこに自分も居て、相手を失う恐怖からの解放の快感を求めていて。「笑、おれのために泣いてくれないの」瞳に溜まる涙を舌先で拭い眼球を舐め上げるようにし瞼に口付けて。またピクリと震え始める手が相手の首元の肉に爪が食い込む感触をまるで快楽とするように指を押し付けたまま僅かに上にずらす。解放した首元は血で少し滲んでいてそれを己がつけたと思うだけで独占欲が高揚し、酸欠で震える体を強く床に押さえつけながら空気を吸うのを許すように唇を離す。そして赤く爪の後が残る首筋に甘噛みして、虚ろな瞳でぼんやりと相手を捉えるがその瞳の裏には相手はいなく、愛という皮を被った狂気と欲にまみれていて。しかしそれは相手を失うことに怯え、狂おしいほど愛しているのにそれを受け入れられない弱い下衆な人間でしかなく、それを自覚しているのにそんな醜い己でさえも愛し受け入れる相手に甘え、そこから更に快感を得ようと貪るように、また相手から幻滅され拒絶されることを恐れるように何度も角度を変えて口付けて「笑もおれのことも壊してくれる?」冷ややかながら相手の同調を強く求める声色で再び首元に手を添えながら問いかけて
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