矢谷啓 2014-05-13 19:43:45 |
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(息が出来ない、苦しい、なのにこの苦しみを与えているのが相手だからかその苦しささえも愛おしく感じる。感覚が麻痺していく、手足に力が入らない、所謂酸欠に陥りそうになりながらも愛してるだなんて感じてしまうのだからやはり自分は壊れ切っているのだろう。こんな歪んだ愛を誰が理解してくれるのか、居るわけもなく理解されたいとも思わず、ただ青白い顔に生理的な涙が伝うわけでもなく瞳に溜まっては水の膜をつくりいつ零れても可笑しくない。こんなに体は酸素を求めているのに自分は相手しか求めていなくて。どうして苦しいのに温かくて愛しくてこんなにも壊れてしまいそうな感覚になるんだろう。相手に壊されるのなら構わない。死を悟った時の人間、死を語るときの人間はどうしてこうも美しいのだろう。爪が食い込んで刺すような痛みが広がる。手を放されて空気が入ってくるはずなのに相手に口を塞がれる。愛しいその口付けに溺れそうになる。だけど体は正直でやはり酸素を求めて震えている。
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