矢谷啓 2014-05-13 19:43:45 |
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笑が言ってくれるなら…笑の言葉ならなんでも嬉しい
(囁くようにやや艶めかしく言い、相手の口元を親指でなぞり余裕な素振りを見せるが本当は今の自分は相手にひどく弱いようで顔を覗き込む仕草ですら可愛いと思い、いつもなら嫌味で返すところが甘い言葉になる。それでも甘い装いは充分なはずなため、これで相手が照れてくれればと期待して。「…なんでこういう時だけ大人っぽくなるかな。…俺が子どもみたいだよね」相手の自分を理解してくれる物言いに先程の妬いて欲しいという気持ちが薄れ照れくさい気持ちになって、一人妬いてほしさに話題を振った自分が馬鹿らしく、子供じみていて一応人生の先輩なのにと負けたような気になれば、それこそ子どものようにわざと拗ねてみたり。「笑…」なすがまま引き寄せられながら酔っているせいか、さっきまで全てをプラス思考に考えようと決めたのにまた心中はぐるぐるとマイナス思考が巡ってしまう。相手がもし誰にでも優しくして他の誰かが相手に自分と同じ感情を抱いたら、そっちに相手の気持ちが傾いてしまうんじゃないかと、いらない心配までする。また、その笑顔を自分にだけに向けて二人だけの世界をなんて独占欲の塊がある一方で相手の幸せを考えると心の許せる友人をもっと作ってほしいとも思うわけで…実際クズばかりだが心の綺麗な人はいるにはいる。そんな風に自分以外から注がれる優しさによる相手の幸せを願うことは間違っているのだろうか…。こんなにも相手を独占したくて、相手の気持ちが別のところに行くなんて心が張り裂けてしまいそうなのに「笑…愛してる」そんな言葉しか言えない。少量の酒に酔っているのか相手に酔っているのか、両方なのかもしれないがほんの少し赤く色づく顔を相手の唇に触れるか触れないかぐらいまで近付けて、まどろむ相手の瞳を自分だけを見て欲しいと、見つめて
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