匿名 2014-04-02 00:32:56 |
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香水を変えた。前のに飽きたとか、そういう理由じゃねぇ。ただなんとなくだ。
寄ってくる女は喧しく騒ぎ立て、皆同じ事を言いながら俺に擦り寄って匂いを嗅いだ。そしてまた同じことを言う。
アジトに帰ると、アイツがいた。いつもの間抜け面で寄ってきたと思えば次の瞬間小さく顔を顰めて、生意気な事に何もなかったかのように笑顔をまた作ってどっかに行った。
後でペッシに聞いた話だと、いつもと違う匂いで、また別の女と一緒だと思ったらしい。別に俺達は恋仲でもないが、アイツは男女関係がだらしないのを酷く嫌った。
スーツを洗い、香水を元に戻した。
再びアイツの元へ行くと、犬のように鼻を上げ、嬉しそうにこっちを見る。だが、まだその顔は曇って見えて、どうしたもんかと煙草に火をつける。紫煙が上がり、俺が煙を吐き出すと部屋中に匂いが充満して、香水と混ざって広がって行く。
とびきりの笑顔で俺の元に寄ってきたアイツの馬鹿面に、満足げな笑みを。匂いで覚えるとは、なんて馬鹿な犬だ。
煙草を嫌う女は多い。だがコイツは、この煙草だけは好きだという。俺の匂いなんて言われたら、どんな顔をすれば正解だった?とりあえず、生意気なバンビーナの頭をぐしゃぐしゃにしておいた。
香水を貸せと言われたが……色気付くにはまだ早いぜ、マンモーナ。
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