語り部 2013-09-19 21:17:44 |
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*彼女について*
私は、今日も傘を差していた。
雨降りの神社、ぽつぽつと傘に当たっては弾かれる雨粒。
今日は私のお誕生日、皆がお祝いをしてくれるらしい。
ああ、早速誰か来たみたい。
石段に向かえばいつもの笑顔が私を見上げて。
何だか嬉しくて、手を振ってみた。
その時、急に足がふらつく。
あ、傘。
あの子に貰ったのに、飛んでいっちゃう。
いや、
行かないで、行かないで
行かないで。
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
中学二年生の夏に転校してきた少女。
人見知りで、怖がりで、どこか幼稚で不思議な子。
あの子が好きで、女の子同士なんてことも考えずただ純粋に愛していた。
中学三年生の冬のある日、神社の石段から転げ落ちその際頭を何度も強く打ったことが原因で意識不明のまま目を醒まさなくなる。
その数年後、僕の元へ生き霊という形で現れるもののその姿はあの日のままで僕以外には見えない。
わずかな現象を起こすことは可能で、後々中学生時代に作ったあるものにより会話のみ僕以外とも可能になる。
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