匿名 2012-05-28 15:27:51 |
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ふわりと手に落ちる雪の花。
その冷たさが何より心地よかった。
混じり合う体温に夢を見ていた。
春になればお別れだなんていったい誰が決めたのだろう。
白い白い雪の中、冷たい君を押し込んで
種をひとつ撒いたのならば
春にはきっと花が咲く。
紅い紅い真っ赤な花が。
やわらかな花びらをひとつ取り
自分と同じ体温になった君に
春の景色を見せるのだ。
「ほらとっても綺麗だね。」
――呟く声は春風に溶けて消えた。
(ふらりと立ち寄ったので…。雪女に恋してしまった人のお話。
遅ればせながらある方へのご挨拶です。)
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