匿名だったもの 2012-05-22 12:22:14 |
通報 |
彼女は追われていた。
何にと聞かれても困る。追われている側が理解していなければ、追っている側から聞くしか無いからだ。
つまるところ、情報は皆無ということだ。
私は隣に居る彼女を見る。
金髪に近い髪色をした、整った顔立ちの可愛らしい少女である。
……尤も、今の私は小学生くらいの姿のようだから、この少女は私よりも年上になるんだろうが。
少女はうつむいたままだ。
私と少女は車の後部座席に居る。先程ここに無理矢理押し込んで匿ったからなのだが、何も会話がない。
追手の気配は無いが、しばらく息を潜めているとしよう。
……まぁ、何かあっても助手席の人が何とかしてくれるだろうけど。
ちらりと覗くと、いつもと同じ無愛想な横顔が見えた。
「………」
ピリピリとした気配が伝わってくる。覗き見がバレバレの様である。サングラスと傷のある顔。彼は土方護。すなわち、私の隣に居る少女は遥ちゃん。
……今回の舞台はまさかの死がふたですよ!
しかも自分がオリキャラって、どういうことなのやら。
どういう経緯でこうなったかというと……。ん?夢の中の回想ってどうなのよ。まぁ、いいか。
私は伊沢さん(だっけ?メガネの人)と土方さんと組んでる小学生だと思われる。何故かというと、私は赤いランドセルを所持しているから。潜入で持っている可能性もあるけど、少なくともランドセルを持っていて怪しまれる年齢ではないってことだろう。
私が単独で歩いていると、走ってくる遥ちゃんが見えて、その手を引っ張って車に押し込んだ。
……回想という程のものじゃないな。
私は窓からそっと外を覗き見る。
この特製白ワゴンは、勿論後ろにもバッチリスモーク貼ってあるから堂々と見ても外から見えない筈だけど、習性というものだから仕方ない。
外の世界は良い天気で、スモーク越しでなければ眩しくてしょうがないだろう太陽さんが輝いている。遠くに見える駅とデパート。ここはあのデパートの第3か4くらいの駐車場だったはずだ。
わざわざこの駐車場に停める車はそんなに居ない。この車は怪しいかもしれないけど、ウロウロしてる人が居たらもっと怪しい。
どうやら気配は無いみたい。そう思うよりも先に、遥ちゃんが言った。
「もう平気みたいです」
ああ、そうだ。この子こういう子だ。
暗くて寒い穴の中。
ぼんやり見える薄明かり。
見上げてみると丸い月。
それはとっても美しく。
わたしはとっても滑稽で。
一人でくすくす笑ってた。
深い深い穴の底。
羽ばたく世界を
君の手で守ったから
今はただ翼をたたんで
この胸で眠りなさい
永遠の安らぎに包まれて
I will so eternity
君はね
あの時
私の側に居た
いつだって
いつだって
すぐ横で笑っていた
なくしても
取り戻す
君を
I will never to back
桜えびが頭から離れない
いつからか
なぜなのか
なぜ桜えび?
好きでもないのに
その響きが
心を惑わせる
嗚呼
桜えび
アリゾナ砂漠の真ん中で。
やっぱり穴を掘っていた。
掘っても掘っても埋まってく。
やっぱり砂は掘りづらい。
ちょっと水分あるといい。
おやおや水分あるじゃない?
アリゾナ砂漠の真ん中で。
穴がぽっかり空いていた。
ソコには染みが広がった。
自分が病んでる気がします
でも、吐露すると楽になる
誰かに伝えてる気持ちになるからか、文章にすると整理できるからか
不思議
トピック検索 |