匿名だったもの 2012-05-22 12:22:14 |
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彼女は追われていた。
何にと聞かれても困る。追われている側が理解していなければ、追っている側から聞くしか無いからだ。
つまるところ、情報は皆無ということだ。
私は隣に居る彼女を見る。
金髪に近い髪色をした、整った顔立ちの可愛らしい少女である。
……尤も、今の私は小学生くらいの姿のようだから、この少女は私よりも年上になるんだろうが。
少女はうつむいたままだ。
私と少女は車の後部座席に居る。先程ここに無理矢理押し込んで匿ったからなのだが、何も会話がない。
追手の気配は無いが、しばらく息を潜めているとしよう。
……まぁ、何かあっても助手席の人が何とかしてくれるだろうけど。
ちらりと覗くと、いつもと同じ無愛想な横顔が見えた。
「………」
ピリピリとした気配が伝わってくる。覗き見がバレバレの様である。サングラスと傷のある顔。彼は土方護。すなわち、私の隣に居る少女は遥ちゃん。
……今回の舞台はまさかの死がふたですよ!
しかも自分がオリキャラって、どういうことなのやら。
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