「青年達の答えと動き出すFate」←小説です

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士郎  2011-11-27 13:26:37 
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答えを得たアーチャーがナルトの世界に転生する物語
作者は文章力がありません
小説書くのも初めてです
作文だって苦手です
そこを考慮した上で見てください

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  • No.1 by 士郎  2011-11-27 15:36:55 

踏みしめる大地は、いつか見た荒野に似ていた。
あたりには何もない。
何もかも吹き飛んだ山頂には、もう、余分な物など何もなかった。

-------戦いは、終わったのだ。

聖杯を巡る戦いは終幕が過ぎ、彼の戦いもまた、ここに幕を閉じようとしていた。
それがどれくらい長かったのかなど、彼にはわからない。

ただ、永遠に自己を縛り付けるであろう積年が、今はない。

終わりはただ速やかに浸透し、この時代に現れた彼の体を透かしてゆく

「アーチャー・・・・!」

呼びかける声に視線を向ける。
走る余力などないだろうに、その少女は息を乱して駆けてくる。

それを、黙って見守った。

「はぁ、はぁ、はぁ、は・・・・・!」
彼の下まで走り寄ってきた少女は、乱れた呼吸のまま騎士を見上げる。

------風になびく赤い外套に、見る影はなかった。

外套は所々が裂け、その鎧もひび割れ、砕けている。
存在は希薄。
以前のまま、出会った時と変わらぬ尊大さで佇む騎士の姿は、
その足元から消え始めていた。

「アー、チャー」

遠くには夜明け。
地平線には、うっすらと黄金の日が昇っている。

「残念だったな。そういう訳だ、今回の聖杯は諦めろ凛」

特別言うこともないのか。
赤い騎士はそんな、どうでもいい言葉を口にした。

「---------------」

それが、少女には何より堪えた。
今にも消えようとするその体で、騎士は以前のままの騎士だったのだ。
信頼し、共に夜を駆け、皮肉を言い合いながら背中を任せた協力者。
振り返れば「楽しかった」と断言できる日々の記憶。

-----それが、変わらず目の前にあってくれた。

この時、最後の瞬間に自分を助ける為に、残っていたのだ。
主を失い、英雄王の宝具を一身に受けた。
現界などとうに不可能な体で、少女に助けを求めることなく、
彼女たちの戦いを見守り続けた。

その終わりが、こうして目の前にある。

「く---------」

騎士の口元にかすかな笑みが浮かぶ。
そんなことは、初めから知っていた。
赤い騎士にとって、少女がその不器用さこそが、
何よりも懐かしい思い出だったのだから。

「な、何よ。こんな時だってのに、笑うことないじゃないっ」
むっと、上目遣いで、騎士を見上げる。

「いや、失礼。君の姿があんまりにもアレなものでね。
お互い、よくもここまでボロボロになったと呆れたのだ」
返してくる軽口には、まだ笑みが残っている。

「-------」
その、なんの後悔もない、という顔に胸を詰まらされた。
いいのか、と。
このまま消えてしまっていいのか、と思った瞬間、

「アーチャー。もう一度私と契約して」

そう、言うべきではない言葉を口にした。

「それは出来ない。私にその権利はないだろう。
それに、もう目的がない。私の戦いは、ここで終わりだ」

答えには迷いがなく、その意思は潔白だった。
晴れ晴れとした顔は朝焼けそのもので、それを前に、
どうして無理強いする事ができるだろう。

「・・・けど! けど、それじゃ。あんたはいつまでたっても-----」

救われないじゃないの、と。
言葉を呑み込んで、少女は俯いた。

「-----まいったな。この世に未練はないが」

この少女に泣かれては困る。
彼にとって少女はいつだって前向きで、現実主義者で、
とことん甘くなくては張り合いがない。

その姿にいつだって励まされてきた。
だから、この少女には最後まで、いつも通りの少女でいてほしかった。

「-------------凛」

呼びかける声に、少女は俯いていた顔をあげる。
涙を堪える顔は、可愛かった。
胸に湧いた僅かな未練をおくびも出さず、遠くで倒れている少年に視線を投げ、

「私を頼む。知っての通り頼りない奴だからな。
------君が、支えてやってくれ」

他人事のように、騎士は言った。

それはこの上ない別れの言葉だった。

・・・・未来は変わるかもしれない。
少女のような人間が衛宮士郎の側にいてくれるなら、エミヤという英雄は生まれない。

そう、希望が込められた、遠い言葉。

「------------アー、チャー」
・・・けれど、たとえそうなれたとしても、それでも------
既に存在してしまってる赤い騎士は、永遠に守護者で有り続ける。

彼と少年は、もう別の存在。

スタート地点を同じにしただけの、今ここにいる少年と、少年が夢見た幻想だった。

「--------------っ」

・・もう、この騎士に与えられる救いはない。
既に死去し、変わらぬカタチになった青年に与えられるものはない。
それを承知した上で、少女は頷いた。
何も与えられないからこそ、最後に、満面の笑みを返すのだ。

私を頼む、と。
そう言ってくれた彼の信頼に、精一杯応えるように。
「うん、わかってる。わたし、頑張るから。アンタみたいに捻くれたヤツにならによう頑張るから。きっと、アイツが自分を好きになれるように頑張るから・・・!
だから、アンタも----------」

  ---------今からでも、自分を許してあげなさい。

言葉にはせず。
万感の思いを込めて、少女は消えていく騎士を見上げる。

-------それが、どれほどの救いになったのか。
騎士は、誇らしげに少女の姿を記憶に留めたあと。

「答えは得た。大丈夫だよ遠坂。オレも、これから頑張っていくから」

-------黄金に似た朝焼けの光の中。
    消えていった彼の笑顔は、いつかの少年のようだった。

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