思春期の少年と少女(nl)

やっぱ女子は苦手だな…（昼休み、友達の誘いを断りひとりで屋上のフェンスにもたれかかり空を見ている。普通に話せればアイツとも仲良くなれたかも、などと思うが恐らくもう会うこともないかもな、などと考え）

ったく･･･もう、疲れた･･･。
（昼までの休み時間に今朝のことを友人にしつこい聞かれたため、だいぶ精神的に疲労していた。なんとなく話したくなくて、黙秘すれば休み時間中ずっと付き纏われ、休養という休養がとれなかった。さすがに休まなければ･･･！とチャイムがなった瞬間お弁当を持ち逃げたが友人(陸上部)に追われ、巻くのに時間がかかってしまった。屋上の扉をため息をつき、疲労感たっぷりで開ければ、誰か居るのが見え、その人物が誰かわかると、『あ･･･。』と漏らし

ん……？………（なにか声が聞こえ首を傾げながら振り返ると数秒間かたまり←。すぐに見なかったことにしようと前にむき直す←）

･･･ちょっと。
（相手の見なかったことにするような態度にカチンときて、前言撤回！全然いいやつじゃない！いや、最初っからそんなこと思ってないけど！と一人こころの中でごちれば、相手にだいぶ不機嫌な声色で話しかけ

なんだ…（今更ながらに相手のことをジーッとよく見てみる。身長は高めで顔も髪型も磨けば光るってかんじ、でも胸は…と相手のことを冷静に分析←。「…色々と残念なやつだな」とつい口に出してしまう←）

はあ！？〜〜〜っ･･･ケンカ売ってるわけ？
（相手の不躾な呟きに思わず叫んでしまい、肩をわなわな震わせながら堪えると、更に不機嫌な低い声で相手を睨みつけ

…そうじゃなくて…その、いや…（素直に、磨けば可愛いのにもったいないな、とは言えずに口ごもりながら相手から顔を逸らし）

何、いいたいことがあるならはっきりといいなさ･･･あ、
（相手の煮え切らない態度にイライラとし、突っ掛かりながら上記をいえば、二人の間を携帯の着信音が流れた。自分のだとわかり急いでポケットを漁る。それは公衆電話からの連絡で、母からだと理解すれば、男がいたことなど忘れ、すぐさま後ろを振り向きその場で電話に出る。

『あ、お母さん？どうしたの？何かあった･･･「あ、綾？今日先生と相談してね、一週間後に簡単な手術をすることに決めたのよ。」ええっ！？手術っ！？なんで勝手に決めて･･･。」

そこでハッとこの場所にもう一人いたことを思い出し、不自然な動きで相手の方を振り向き

……………（気まずそうに相手の顔を見る、どう声をかければ良いのか全くわからずただ相手の顔を見るだけで。いたたまれない気持ちになってきてその後顔を逸らし）

･･･と、とにかく、今日もまた行くから！話はそん時に！
（顔が引き攣る。ま、まさかこんな話だなんて･･･！と内心気まずさを感じながらも、とにかくこんな身内の話、ましてやこんなやつに聞かせられない･･･！と上記をいいながら無理矢理電話を終わらせる。時間を見ればまだ昼休みが終わるには時間がある。手元のお弁当もまだ食べてない。友人から逃げてきたのだけれど、今の状況でここにいるのも辛い･･･！と一人悶々とするも、結局教室に帰ろうと扉の方に歩きだし

（上げまーす。）

（ちょうどっすねーｗ）

あ、おい待てよ…事情は知らないが…別に行くことはないだろう、落ち着いてここで食べたらどうだ？（恐らくまた女子にでも追いかけられるのだろうと予想し、今は苦手とかそういうことを考えず彼女のためになることを考えようとして）

えっ･･･！はぁ･･･。あーもうっ！！わかったよっ！！（相手に呼び止められたことに驚き、思わず声を漏らしてしまう。この空気が嫌だから教室に行こうとしたのに、止められてしまったら、教室に行くにいけない。相手が気遣っているのがわかるからこそ、その誘いを振り切り、教室に帰るなんて･･･出来ないのだ。しばらく立ち止まり、悶々と考えた末、イライラをふっ切るように上記を言い、相手の隣までつかつかくると、フェンスの音を鳴らしながら座り込み

…ん…その…無事だと良いな（相手が隣に来れば少しうっ、となり僅かに距離を開けてしまう。その後、無言が続いてしまい、普段気の利いたセリフなんて言ってこなかったせいかあまり良いとは言えない普通の言葉しか出てこない）

へっ・・・？あ、ああ、ま、まあ簡単な手術だって言ってたし・・・。
あの時に比べたら・・・。
（そこまで言ってハッとする。なんでこんな男にペラペラしゃべってんの私・・・！顔をぶんぶんと振ると、『ま、まあとにかく、なんか変な話聞かせちゃって・・・悪かったわね。』そっぽを向いてそう言えば『は、はやく昼ご飯をたべよっと・・・。』とお弁当を広げて

…そうか、いや、大丈夫だ。…家族思いなんだな（俺もこいつみたいな姉が居れば面白かったかもなぁ、と思いながらご飯を食べる。相手のお母さんが心配だがきっと無事であることを他人ながらも願い）

･･･家族思い･･･ね。
（相手の優しい言葉に少しどぎまぎしつつ、言われて嬉しかったのか、呟くように繰り返した。『･･･うちはもう長くお母さんが入院してるから。』ゆっくりとご飯を咀嚼し、飲み込むと憂いを孕みながらそう呟くように言う

…そんなに重いのか…（相手のつぶやきを聞きなんとなく落胆、というか落ち込みそうになる。それでも彼女は元気に振る舞い、弟妹の世話をしていると思うと自分も力になれないかと思うが言い出すことが出来ず、ただ彼女の頭を無意識に撫でて）

っ！さ、触らないでっ･･･！あ･･･、ごめん･･･。男に頭撫でられたことなんて一度もなくて･･･。
（相手の突然の行動に酷く驚き、思わず払いのけてしまう。変な静寂が二人の間にながれ、やってしまった･･･！と思い弱々しく顔を逸らしながら弁解し

う…俺の方こそ、悪かった…（拒否される、そんなのは当たり前のことだがなんとなく、やらずにはおれなくて。若干気まずくなったせいかしゃべりかけるのも減り、「それじゃな…」と先に食べ終われば相手より先に教室へ向かい）