匿名さん 2024-01-18 21:20:33 |
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鮫島旭
「……ん゛…」
(─何か、とても穏やかな夢を見ていた気がするが─痛む頭では何も思い出せない。眉間に皺を寄せたまま頭を振り、ゆっくりと瞳を開けるとそこには─自分に抱き着いて寝ている五条先輩の姿があった。普段ならば問答無用で殴り飛ばすか蹴っているところだが─何故か今日はそうする気になれなくて、背中をバシバシと叩いて声を掛ける。「…起きてください、五条先輩…重いです。」掛ける声は少し─ほんの少しだけ普段よりも柔らかくて、自分の表情が緩んでいるのが何となく分かった。昨日、自分が何を言ったかくらいは覚えていたので─早く起きろ、という意味も込め、呑気に寝ている五条先輩の頭を引っ叩いて。)
「…10秒以内に起きないと、昨日の返事しませんよ。はい、1、2…」
五条悟
「…ん、僕も。」
(抱き締め返してくれた彼女の髪に顔を埋め、心底─一緒に居てほしい、と乞うように返事を返した。口に出して大好きだ、とは言わなかったが、恐らく伝わっているだろう。オーブンの加熱が終わった音が、何処か遠くで聞こえたような気がして。)
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