匿名さん 2024-01-18 21:20:33 |
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鮫島旭
「……ん…さわんな。」
(自分が無駄な足掻きをしているうちに、酔いは完全に回ったらしい。擽ったくて小さい声が漏れた後─ジーンズに触れる先輩の手をバシ、と思い切り払い除けながら、普段の敬語も取っ払った粗雑な─と言うより、ほとんど元々の─口調で舌っ足らずに告げて先輩を睨んだ。腹いせに眼の前にあった唐揚げを口に放り込み、もさもさと咀嚼して飲み込んではまた食べる─という仕草を繰り返し、酔いが回って据わった目でじとりと先輩を睨んだまま「……だいたいあんた、いっつもうっとうしいんだよ。おれが、やだっていってるのにからんできやがって…」飲み過ぎた酒で脳内のストッパーが外れているからだろう、普段の恨み言が堰を切ったようにぽろぽろと溢れ出して。)
五条悟
「お待たせー、待った?」
(家を出てから、彼女の恋人役を務めるのだから、と少々気合を入れすぎたかもしれない─とぼんやり反省していた。道行く女性の視線が次々に突き刺さって面倒だ。小さく舌打ちをした時、彼女の姿が目に入って─ぱあ、と表情が目に見えて明るくなる。ぶんぶんと大きく手を振りながらそちらに近付き、「ね、今日の僕…変じゃない?大丈夫?」と彼女に問い掛けた。─普段の目隠しは外され、高専時代のような黒の丸いサングラス。ふわふわの白髪は整髪剤で軽くセットし、服装は黒のジャケットに白いタートルネックを合わせたごくシンプルなものだが、どれもブランド品ばかり。そして極めつけには国宝級の美形がその頂点に鎮座する姿で─ジャケットの裾を摘み、首を傾げて。)
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