匿名さん 2024-01-18 21:20:33 |
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鮫島旭
「…………案外雑じゃないんですね。」
(─まずい、今になって酔いが回り始めてきた。喋る言葉の呂律が自分でも分かる程若干怪しくなり、頭全体にぼんやりと靄が掛かったような感じがする。─今の自分が酔っていると分かれば、確実に先輩に酔ってるの、などとイジり倒されるのは目に見えていた。悟られないよう喋る言葉を必要最低限に絞り、先輩がジーンズを拭く手付きをじっと見守る。高専時代は不注意で何か溢そうものなら注意散漫、だの小学生かよ、だのと散々煽り倒された挙げ句に更にジュースやら何やらの追い打ちを食らっていたが─今ジーンズを拭く手付きからは昔のクソガキっぷりがほんの少しだが消えている気がして。)
五条悟
「僕、褒められないとやる気出ないタイプなんだよねえ。」
(彼女の呟きを耳聡く拾い、椅子から立ち上がって山積みの報告書を手に取った。そうしてそのまま彼女の側に近付き、「じゃ、またねー。」と出来るだけ軽い調子を心掛けて声を掛け、その報告書を学長やら上層部やらに持って行く。─何回かお叱りも喰らったものの─それらは全て右から左へ受け流し、溜息と共に空気中に吐き出した。硝子に渡す酒買いに行かなきゃ、と思いつつ、自分も高専を出て。)
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