一見さん 2023-12-23 17:33:22 |
通報 |
〈倉木真澄〉
「……勿論。」
(一緒に寝る旨の返事を返し、更に擦り寄ってくる彼の頭を優しく撫でてやりながら、ダイニングから足を踏み出す。部屋の前で─何方に入るか少々迷いはしたものの、眠い、と自覚した途端に襲って来た眠気には逆らえず─手近にあった方、自身の部屋の扉を開けた。そのまま彼らを連れてベッドに飛び込み、普段寝るときのように─上の服をぽい、とその辺りに脱ぎ捨てる。─基本的には白く滑らかな肌なのだが、時折古傷の引っ掛かる"猟犬"の身体。五条はその素肌に頬を擦り寄せ、労るような手付きで古傷を撫でた。それが擽ったいのか、倉木は小さく笑いながら五条の頭を撫で─「…もう痛みは無いから、大丈夫だよ。」と心配への感謝を述べつつ、愚図る子供を寝かしつけるように─彼らの上半身を優しく叩いてやる。ついでに彼らが手を伸ばすより早く、五条の目隠しと彼の髪ゴムを外してやり、手の届く場所へと置いた。─倉木自身も相当眠い筈だが、彼らが眠るのを見届けるかのようにふわり、と優しく微笑んでいる。)
──
〈五条悟〉
「…いっつもチケットだけ渡されてたんだよ。」
(五条は彼女の言葉に不貞腐れたような様子で頷き、そう答える。─昔から、映画を観たいと言えば既に購入されたチケットだけを渡され、お付きの人間やら何やらと観に行かされていた。こうして誰かとチケットを買うことなど初めてらしく、心做しか「だから、買うのはお前とが初めて。」と呟く声は楽しそうである。)
トピック検索 |