一見さん 2023-12-23 17:33:22 |
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〈倉木真澄〉
「……滑るね。」
(身体を洗い流す時のシャワーの飛沫が掛かり、湿気だけで無く水分をも含んで─今まで以上に額にぺたりと張り付いてくる、鬱陶しい前髪を些か乱暴に掻き上げた。その拍子に、毛先から零れた水滴がバスルームの壁に飛び散り─美しく磨き上げられたタイルの隙間を伝って、次々と床に落ちていく。自身と密着している所為で、無防備に曝け出されている彼の臀部に手を触れると─先程まで自身の手に付着していたボディーソープの成分なのか、ぬるり、と妙に滑りが良かった。普段と違う手触りにぼそりと小さく呟き、少しの間その手触りを楽しむことにして─彼の臀部を緩い力加減で優しく揉んでやる。普段ならば手に吸い付いてくるような質感である筈の彼の肌が、今日に限ってはつるりと滑って逃げていく感覚が面白く─暫く無言でそうしていると、彼の身体がバスルーム内の湿気だけでは無い、誰の目から見ても明らかな程の、あからさまな情欲に浮かされて─汗で肌がしっとりと湿ってくるのが感じ取れた。興奮してきたらしいその様子をちらりと見遣り、臀部を揉む手付きにゆっくりと緩急を付ける。今しがたまでの楽しむような動きとは全く異なる、彼への欲を帯びた手付きで臀部を揉みながら─耳元に唇を近付け、中心に鏡の据え付けられた壁の両脇を指しつつ、逆らわせないように甘い声で囁いてやった。)
「……ねえ、傑。そこの壁に手、付いて?」
──
〈五条悟〉
「……っ、そーかよ。」
(五条は本当に食べられるとは思っていなかったのか、彼女がフォークに突き刺さったパンケーキを食べた瞬間─少し驚いたように目を見開いた。美味しい、と笑顔で言われてしまえば言葉を詰まらせ、再び誤魔化すようにパンケーキを口の中へと放り込む。)
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