一見さん 2023-12-23 17:33:22 |
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〈倉木真澄〉
「……はいはい、じゃあ─おいで。」
(彼の言葉に五条は「当たり前じゃん。真澄~、早く行こ?」と服の裾を引き、自身も連れて行けと言わんばかりにじっと見上げてくる。結局二人を連れて行くことになるのか、風呂で他人を抱く趣味は無いのだが─などと思いつつも─キス以上の"続き"を強請ってくる彼に瞳をきゅう、と細め、我儘な奥さんだね、と笑いながら優しく撫でてやった。脱衣所で服と指輪を脱ぎ捨て、やけに広いバスルームへ足を踏み入れて湯船に入ると─自身の胸を一直線に両断するような形の古傷に湯が染みて、僅かに痛む。傷の治りは他人よりも早い筈なのだが、この傷だけは妙にズキズキと疼く─それとなく指先で傷をなぞりながら、当たり前のように湯船へ浸かってきた彼らの頭を軽く撫でた。五条は白く柔らかな髪が濡れるのも構わずに頭を擦り寄せ、「真澄、身体洗ってあげようか?」いつの間に手にしていたのか、ボディーソープの容器をちらつかせる。手で洗うつもりなのか、と疑問は湧いたものの─まあ良いか─と半ば諦め、一旦湯船を出て身体を明け渡した。五条は上機嫌な様子で手にボディーソープを出し、泡立てた後─彼にそれとなく目配せをして、その容器を投げ渡す。背中洗うね、と声を掛けるよりも早く、五条の手が背中に当てられていた。その手は─ボディーソープの所為か、普段よりも少し冷たい。優しい手付きで背中を擦られると妙に擽ったく、思わず笑みが漏れた。)
──
〈五条悟〉
「別に運動してるわけでもねえし…体質の問題じゃね?」
(五条は彼女の言葉に少し考え込んだ後、そう答えつつも─またパフェを一口、口の中へぽいと放り込む。)
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