一見さん 2023-12-23 17:33:22 |
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〈倉木真澄〉
「……ありがとう。」
(彼から急に左手を取られたかと思えば─自身の薬指には自身の瞳の色と良く似た、少しくすんだ青色のタンザナイトが控え目に輝いていた。彼の言葉に思わず目を見開いた後─無性に彼が愛おしく思えて、その頭を撫でてやる。五条は薬指に嵌められた指輪をするり、と撫でて微笑み、「…僕も─愛してる。もう、離さないからね?」と悪戯っぽく告げてはぎゅう、と強く抱き着いてきた。目隠しの隙間から見える空色の瞳は酷く嬉しそうに細められており、薬指の指輪と同じ光を放っている。─彼らとここまでの関係になったことは─玲に連絡しないとな、とふと頭の片隅でそんなことを思った。御愁傷様、と、言葉よりは安堵したように笑う玲の姿が伏せた瞼の裏に見えた気がして─ふ、と口元が緩む。左手に指輪の輝く二人の手を引いてジュエリーショップを後にし、1日ぶりに彼の所有する宗教施設へと戻った。二人と手を繋いだまま割り当てられた自室へ入り、ベッドの上へどすん、と腰を下ろす。座った瞬間に五条が身体を擦り寄せてきたかと思えば─「…結婚したんだから、これで…ず~っと一緒だよね?…絶対に離れないでよ。」僅かに昏い光を宿した眼差しで自身をじっ、と見つめながら頬に唇を落としてきた。安心させるように勿論、と微笑み─五条を抱き締め返してやる。)
──
〈五条悟〉
「んー…パンケーキとパフェ。」
(五条はテーブルに置かれたメニューをじっと見つめた後、パンケーキとパフェを指差した。─どうやらトッピングを何にしようか考えているらしく、ホイップクリーム増量、だのと書かれた辺りを指でなぞっている。)
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