一見さん 2023-12-23 17:33:22 |
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〈倉木真澄〉
「…ん…ちゃんと言えて偉いね─"僕の"傑。」
(たった今─彼に残る、雄としての最後の矜持がへし折れた音がした。彼が、蕩けるような表情で発した誓いの言葉とほぼ同時に─ピロン、とこの場には場違いなほど、やけに軽快な電子音が部屋の中に鳴り響く。それは─倉木が尻ポケットから取り出した携帯を片手に握り、録音・録画機能の開始ボタンを押した音だった。とびきり甘い声と甘い笑顔を伴い、彼が自身の完全なる"雌"に堕ちてきたことを、他者を己に依存させる時の口調で優しく褒め称えてやりながら─今まで彼のナカを執拗に虐めていた指を徐ろに引き抜けば、粘着質な糸を引く体液でぐっしょりと濡れているそれを暫し見つめていたが、やがて興味本位に─ちろり、と赤い舌を出し、彼に見せつけるかのように自身の指先を舐める。勿論無味無臭だったが、たっぷりと時間を掛けて彼の体液を舐め取った後─ぐい、と臀部の肉を押し広げる。「傑のナカ…僕に、沢山堪能させて─ね?」押し広げたことで、自身のソレが押し入る隙間が作られた其処へ─彼の唇にちゅ、と軽くリップ音を立てて唇を落としつつ、そう問い掛けながら─態と、酷くゆっくりとした動きで自身のソレを押し込んだ。先程よりも強く、それでいて自信を甘やかすようにねっとりと心地好く絡み付いてくる肉の感覚に目を細め、背中に手を回して彼の身体をきつく抱き締めた後─それまでソファに預け切っていた腰を、ゆさゆさと揺らし始める─(暗転)─結局最後の方は、プレイ関係無く彼らを抱いていただけだったな─と思いつつ、携帯にしっかりと録画されている、今しがたの情事の光景を保存しておいた。来る時に纏っていた服に着替え、部屋のカードキーを片手に─名実共に自身の"雌"となった二人に呼び掛ける。五条は─はぁい、と甘ったるい声で返答し、普段以上に婀娜っぽい所作で倉木の腕へするり、と纏わり付いた。)
「…そろそろチェックアウトの時間だよ…悟、傑。帰りに指輪、見に行こうか。」
──
〈五条悟〉
「……ん、いーぜ。行くか。」
(五条は携帯の画面を見るために少々屈み、普段からは想像もできないほど優しく笑ってみせた。家入はその光景を見て"…マジだな"と呆気に取られたように呟く。)
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