一見さん 2023-12-23 17:33:22 |
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〈倉木真澄〉
「…っ、ん……強めに押された時に、疼くような痛みが少し…。」
(彼の手が傷痕を押さえる度、そこはごく微かにではあるが─熱を持って疼くような、じんじんとした痛みを訴えてくる。倉木は傷痕に触れる彼の手付きに、確かな性欲の色が滲み出ているのを感じ取り─従順な"患者"らしく、押される度に眉根を寄せて痛む箇所を訴えてやりながらも─彼の耳元へ唇を寄せては「実は、脇腹だけじゃなくて─胸の辺りの傷も、時々痛むんです。」と嘯き、片手で患者服を更に大きく捲り上げてやった後─胸元を両断するように長く深く刻まれた、綺麗な一直線をした切り傷の痕を照明の下へと露出した。─この傷は、女に刺された時以上に命の危機だった時のもの。切り付けられた刃物が、呪具で無かったのが唯一の救いだったな─などとぼんやり思いつつ、彼のもう片方の手を掴んだ。実際の所、あまり感じる方では無いのだが─興奮を煽るために胸の敏感な箇所辺りへとその手を優しく導いてやり、ふと指がそこに擦れたのを見計らって「…っあ、」と作り物の甘ったるい声を出し、身を小さく捩りながら─感じ入ったような喘ぎ声を出してやる。)
──
〈五条悟〉
「………余計なお世話だっつーの。」
(五条は夏油の言葉を聞いてはいたらしく、誰にも聞こえないような声色でぼそり、とそう溢す。夏油の言葉が一言一句間違っていないのが腹立たしいのか、誤魔化すように目を閉じた。)
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