一見さん 2023-12-23 17:33:22 |
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〈倉木真澄〉
「……ナースだね、そうなると…僕はどっちだい?」
(─どうやら、彼らが次に着る衣装はナース服で決定したらしい。彼の頭を片手で優しく撫でているままに、すっかり短くなってしまった煙草を灰皿に押し付けて揉み消し─相変わらず上機嫌な様子の五条に尋ねる。「ん?そうだなあ…患者さんで"触診"してあげてもいいしー、お医者さんで"注射"してもらうのもいいなー。」五条は顎に手を当て、少しの間呑気に考え込んでいたが─返答するより先に服を脱ぎ捨て、ご親切にもナースキャップの付いている、薄ピンクのナース服に着替えた。─見た所かなり大きいサイズの筈なのだが、五条が規格外に長身な所為か─ただでさえ短かったスカート部分は辛うじて際どい箇所を覆っているだけで、最早スカートの意味を成していない。見ているだけで共感性羞恥に襲われそうなその姿からそれとなく目を逸らし、喉の奥で苦笑を噛み殺した。「…はは…ある意味凄いな、これは。五条くんでこれなら、夏油くんは─この服が悲惨なことになりそうだ。」ぼそり、と呟き、恐らくセット物だろう患者服と白衣をまじまじと眺める。青緑色の患者服は裾が捲りやすい形状になっており、聴診器付きの白衣は薄っぺらかったが─そのポケットには、正規の目的では使わないのであろう医療器具が詰め込まれていた。彼が着替えるのを待つ間、手持ち無沙汰にその医療器具を弄り回しておく。)
──
〈五条悟〉
「うるせえ!」
(五条は相変わらず夏油に突っ掛かっていたが、ふと二人の目線と会話に気付いたのか─不貞腐れたような表情を浮かべて自席に戻った。家入はその様子を鼻で笑い、"優しい感じ、ねえ"と呟く。)
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