一見さん 2023-12-23 17:33:22 |
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〈倉木真澄〉
「……そうなると、まるで…昼ドラだね。」
(─五条のエプロン姿が近寄り難い彫刻品なら、夏油傑のエプロン姿には妙な色気があった。倉木は夏油傑の言葉に苦笑しながら─手渡されたスーツを身に纏ってネクタイを締める。男性としては細身の倉木には縦長のスーツが良く似合い、若手の将来有望なエリート─と言った印象を与えるが、その中にも何処か関わってはいけないような─一種の危うい魅力を纏っているようにも見えた。五条は色気が溢れ出るその姿に暫し無言で見惚れた後、ハッとしたように目を見開いては「それいーじゃん、傑!じゃあ、傑と真澄が不倫してるとこに僕が帰ってきちゃって…誰よその女!!みたいな感じにしちゃう?」と随分と乗り気な様子で楽しげに笑う。二人ではしゃぐ姿を横目に、倉木はネクタイで首が締まって息苦しいのか─ぐい、と指先で引いてネクタイをわずかに緩めていた。その後煙草の吸い溜めをするように─予備で持ってきていた煙草の箱から一本抜き出し、時間を掛けてゆっくりと煙を吸い込む。)
──
〈五条悟〉
「……行こうぜ。」
(家入は"…夏油と、か…ダルいなー"と呟いて面倒そうに頭を掻きつつ教室を出て行き、夏油も"心配しなくても、ちゃんと手加減するよ"と笑いながらその後を追って教室を出て行く。二人残されて少しした後─五条は彼女にそう声を掛けて席を立った。)
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