刑事A 2022-01-18 14:27:13 |
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ルイス・ダンフォード
( 救急車の中で、呼吸の手助けの為に相手の口元には酸素マスクが、人差し指の先には血中酸素と心拍を測る為の器具が取り付けられその状態のまま病院へと運ばれる事となり。__夜間の救急専用の入口から担架に乗せられた相手は一先ず個室の病室へと寝かされた。心身共にかなり衰弱しており、命に別状こそ無いものの今はゆっくりと寝かせ、暫くは安静にしなければならない事の説明を受けたダンフォードは、眉間に皺を寄せた険しい表情で頷き。エバンズの担当医師である【アダムス】は明日の朝一番に来るとの事で、検査や容態の確認、今後の詳しい進み方などは彼と話す事となるだろう。__真っ白のベッドで酸素マスクに助けられながら静かに眠る相手の顔を見詰め、重たい息を吐き出す。こうして意識の無い相手を見るのは2度目だ。あの時とは違いきっと明日には目を覚ますだろうが、意識を取り戻した時はもう既にあの事件から12年目を迎える当日、相手の心に掛かる更なる痛みを思い思わず額に手を当て顔を俯かせる。警視正にも、相手によく懐いているように見えるミラーにも連絡をしなければならないが、それは明日の朝だ。相手専用の部屋に散らばるマグカップの欠片や書類の片付けは…どうせ誰もあの部屋には入らないだろう、朝早くから出勤し片付ければそれでいい。額から手を離し顔を持ち上げ、再び眠る相手に視線を向ける。それから静かに伸ばした手で目元に掛かる前髪を払ってやると、もう少しだけ此処に居る事を決め、何とも言えぬやるせなさに再び深い息を吐き出して )
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