刑事A 2022-01-18 14:27:13 |
通報 |
( 彼が応援に来てからと言うもの煩わしい事ばかりが続いた。彼見たさに刑事部の辺りを彷徨いているのであろう他部署の取り巻きの女性たちの媚びた声も、腹の内で何を考えているかは分からないものの顔を合わせる度に愛想良く挨拶をしてくるキース本人も、元の想定以上に彼へと流れる仕事も。加えてミラーが彼と楽しそうに話をしている姿も度々見かけるようになり、その様子に複雑な感情を抱いてしまう。複雑、とは言っても自分でもよく分からない感情で_____快か不快かの2択で考えれば“不快”なのだがよく分からない。よく分からない事に感情を乱される事も不快なのだ。そんな状態で日増しにイライラしているのだから当然周囲は其れを察知し、“警部補はこの所機嫌が悪い”と認識して尚更近付き難くなる。本来エバンズに依頼すべき仕事についても話しやすいキースに相談する者も居た。---相変わらず部屋の扉を閉め切ったまま目を通していたのは窃盗事件に関する報告書。大きな情報の欠陥がある訳ではないのだがわかりにくいのは要点が纏まって居ないからか。苛立ちを感じつつ読み進めていると途中から容疑者の名前のスペルミスがある事に気付き。しかも以降全て誤ったスペルに置き換わっており、深い溜息と共に苛立ちは最高潮に達する事となり。報告書を手に扉を開けてフロアに出ると「ウォーカー!いるか?」と報告書を書いた張本人の名前を呼び。当然その声に苛立ちが乗っている事には皆気づき、何事かと視線が向けられて。 )
トピック検索 |