刑事A 2022-01-18 14:27:13 |
通報 |
( __相手が独り言の様に溢したたった一言が妙に胸に残った。何時かの日、本部に戻るかレイクウッドに残るかの選択を迫られたエバンズから距離を置かれた日の事を思い出したから。あの時エバンズは最終的に此処に残る選択をしたが、果たして“今”もし再び本部へ戻る話が出たとして、以前と同じ選択をするだろうか。あの時はまだ此処に赴任して半年程しか経っていなかったからもう少し…と考えたかもしれないが今は既に年単位を過ごしている。その間に様々な事もあった。加えてエバンズはそもそも此処に移動させられた事を良しとは思っていなかった筈だ。当然本部に戻りたいに決まっている。此処に残りたいと思える為の何もが無い状況に一瞬物凄い恐怖が過ぎり、あくまで相手との間の他愛無い話の中だけなのに息が震えた。それを誤魔化す為に相手に釣られる形で口角を僅かに持ち上げた笑みを浮かべると、「…今すぐじゃないかもしれないけど、何時か戻るような…そんな気がします。あくまでも“気がする”ですけどね。」考えたくない、けれど何時かはきっと訪れるだろうと思う素直な未来を口にしつつ、「エバンズさんが此処に居る間は、嫌がられても一緒に仕事をしますけど。」と、最終的には少しの明るさを以て言葉を返し。「…私そろそろ仕事に戻ります。書類よろしくお願いします。」椅子から立ち上がると、流石に戻って仕事をしなければ自分の仕事も相手の仕事も止まる事になると頭を下げ自身のデスクへと戻って行き
)
トピック検索 |