Lotus Eater 2021-12-06 21:29:08 |
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…そうだね、そろそろ帰ろうか……。
(どのくらいの時間が経ったのだろうか。体感的には数分しか経っていないように感じられる。が、実際は数十分もの間此処にいた。しゃがみ込んで瞳を下ろしじっと黙祷を捧げていれば、時の移ろいなど分からなくなるほどに集中してしまうのは、きっとこの目の前の墓碑がそうさせているからだろう。幾千の星達が、その存在を控えめに主張している夜空はそっちのけで、こんな夜に、数十はあるであろう墓が整然と並んでいる墓園に足を運んでいるのは、自分ぐらいしかいないと思う。死者が眠るこの独特な不気味さを孕んでいる空気と、アビスメアが出現するかもしれない時間帯とが、人を寄せ付けない最たる理由である事は誰しも分かっている。そんな所に月命日でも無いのにふらっとやって来ては、こうして手を合わせる。母親のようだった姉が眠っている此処に。僅かな感傷に浸っていると、肩に感じる温かな重みが、冷えてきたからもう帰ろうと促すようにひと鳴きした。その鳴き声を合図に瞳を開けると、クスッと口角を上げて、墓碑に彫られた名前と同じ名前のそれを撫でて同意する。規則違反の代物は、気持ち良さそうに目を細める。すっかり冷え切ってしまい冷たくなった自分の手にも、その温もりは心地良かった。帰ったらまた堪能しようなどと楽しみを作りながら立ち上がれば、レヴェリア達が所属する国営事務所の用意した寮へ戻ろうと歩き出そうとして)
(/纏まりが無い上に長ロルの為読みにくく絡みづらいかもしれませんがよろしくお願いします。)
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