主 2020-09-18 20:53:43 |
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死神に優しいも何もないでしょ…… ( 『その表情も好き』、彼女の何気なく零した一言に、更に目を合わせられなくなる。どんな表情、と訊いてみたい気もしたが、きっとろくな顔じゃない。目を合わせられないまま、彼女の付け足すような言葉に、呟くように照れ隠しの言葉を返す。そんなこといちいち言われなくたって分かってる。けれど、正確に言葉にして渡してくれるのが嬉しかったから、『そんなの分かってる』とは言わなかった。苦手なミルクチョコレートだけを手元に残された彼女は、自分に文句を言うか、それとも何か言いたげな顔をする──と、思っていた。しかし、彼女の言動はそのどちらとも違っていて、しかも、俺が面食らっている間に、自分でやったくせに何やら恥ずかしそうにもごもごと口を動かしている。……馬鹿。ほんっと馬鹿。ふっと柔らかな笑みが広がるのを抑えもせず、たった今開封したばかりのビターチョコレートを言い訳を紡ぐ口に押し込んで。 )
どっちも要らない。……お代なら、あんたの笑顔だけで充分。
>> 陶山( >>497 )
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