君の青春を、（ 指名制 / NL ）

　いや、せっかく志帆が来てくれてるのに眠ってる方が後悔する。(　元々眠るつもりは無かったし、適当なところで彼女を探しに出るつもりでもいた。一緒にお菓子を拾い集めながら、ふと彼女の方を見ると、寝起きだと本能的になってしまうのだろうか。耳元でゆらゆらと揺れるキャンディーモチーフのピアスが気になって、思わず耳朶に触れてしまう。仮装の係でなくても、こうして控えめに参加してくれるところが何だか彼女らしくて笑みを溢す。寝起きのぼんやりとした頭でも、彼女を愛おしく思う気持ちははっきりと分かって、我ながら単純な生き物だ。手作りらしきお菓子を一つ拾い上げれば、彼女の言う、こんな事をする『お友達』は、心当たりが多過ぎて皆目見当もつかないが、誰であるにしろ彼女ではないと分かれば残念な気持ちが湧くのは仕方のないことで。……と言うか、そもそも誰からか分からない手作りお菓子を食べるのは単純に怖い。対処に困ってじっとお菓子を見つめていると、ふと向かい側からの視線を感じる。顔を上げると、細かいことなんて何もかもどうでも良くなってしまうような彼女の笑顔と、褒め言葉。　)
　ん、キョンシーね。俺もよく知らないけど、このお札貼った人の思い通りに動かせたり、動けなくしたり出来るんだって。

　>> 志帆（ >>430 ）