奏歌 翔音 2020-06-11 11:08:38 ID:5762b1903 |
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>248 桜(ターナ)
>249 砂金、牡石、蘭花、疾風
【ナナ(キース)/東門】
ナナ(キース)は桜の話を聞きつつ砂金に担がれ暴れる少女をしばらく観察していた。
桜が探しに行こうとしている娘レーチェルが未だに蘭花の肉体に精神が入っているかを見極めたかったからである。
「……娘はやはり迷子センターのようであるな。今はソファーの上でぐっすり眠っている。」
そして、桜にそう告げる。余計な行動はこれで最小限に済んだのかもしれない。
暴れていた蘭花が口を開いた途端に口調や態度からレーチェルではないと判断した。これで一つ不安は無くなったが……。
「そんな趣味はない。誰がロロリパパであるか……。まったくこの恩知らずのジャジャ馬娘め……。」
どうやってあの入れ替わりを元に戻したのか、今ここで言及しようとは思わなかった。
誘拐犯とは疑ったが、それ意外にも、彼_瑠璃男(砂金)が、蘭花の知り合い若しくはお友達ではないだろうか?ということもナナ(キース)は初めから考慮に入れていた。
なにせ『お友達と逸れたから』と職員に伝えて放送アナウンスで蘭花の知り合いに来てもらうように根回した張本人でもあるのだから当然と言えば当然のことだ。
入れ替わりが元に戻らないままだったとしても、知り合いが一緒ならば安全は約束されていたようなもの。
少なくとも、蘭花は初めて会った時からレーチェルと友達になりたいの一点張りだったので、危険な賭けではあったがある程度なら信用はしていた。
「その通り。我が娘と入れ替わっていたのでな……。妻のターナもまだ見つかっていないと言うのに一緒に行動するのはリスクが大きすぎる。__それにだな…………ウロチョロされては実に目障りだ。」
最後の言葉は険しい顔つきで言い放った。こんなことを心底口にしたくはなかったのだろう。しかしそれがナナ(キース)にとって本心からそう思っていることでもある。
そのためにはレーチェルの精神の入った蘭花の肉体と、蘭花の精神の入ったレーチェルの肉体、両方同時に拘束しなければその最も重要視するねらいを果たすことは難しい。
「__おいおいまさか、拘束したからと言って誘拐犯になってしまうのか? それも迷子センターにわざわざ預けてか? だとしたら面白い発想であるな。そんなことがあった日にはあそこにいた職員全員が……」
瑠璃男(砂金)が言わんとしていることを汲み取ると鼻で笑いつつそう言い切ろうとしたが、ナナ(キース)は言葉を濁した。
その発想もあるのではと嫌な汗が出てくるのだが、悪い想像が頭をよぎる前に低い声がそれを邪魔をした。
現れた大男に桜が警戒しているようだが情報を握っているのであれば迷っている場合ではなかった。
「これに記入すればいいのだな?」
突然現れた男に言われるままサラサラとサインをする。この際なら藁にもすがる思いだったのかもしれない、記入し終えると『情報とは?』と、大男にそう急かすように切り出した。
>250 桜
【ナナ(キース)/東門】
「落ち込むところじゃないぞ。彼奴が何か知っているそうだ。」
そう言って牡石(疾風)を指差しして。
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