奏歌 翔音 2020-06-11 11:08:38 ID:5762b1903 |
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>233 東野 桜(ターナ)
>239 砂金、牡石、蘭花
【ナナ(キース)/東門】
迷子センターから出てから身体の持ち主であるナナの能力で驚かされたことがもう一つだけあった。
それは彼女からしたら日常的でほんの些細な取るに足らなことなのかもしれない。
光属性に特化されているということもあり培われた目の力はどんな光の微粒子でさえ一つ一つ見逃さないということ。
本人がその力に気づいているのかはさて置き、光魔法のライトチェーンの痕跡を途中から断ち切ったとしても自然界の中にある光の微粒子の動きを見切れる力がナナにはあるということ。
何がいいたいのかというと、自然界に異常なスピードで爆速が突然起こったとしたら、そこに現れるのは光の微粒子をかき分けた大きな道標が分かりやすく姿を現すのである。
それはほんの一瞬の出来事に過ぎなかったが向かっていた方角が今では手に取るように察しがついた。
キース(ナナ)は唐突に足を止めた。方角さえ分かれば焦って追う必要はないと判断したためだ。
(あの方角へ向かったのであれば、さっきの放送を聞いて行動を変えたと考えるのが妥当であろうな。__ならば、彼奴らは手掛かりではないというのか……?)
「ふむ……。では、ここで一つ試してみるとしよう。」
ここまで追ってはきたものの誘拐犯との繋がりはないのでは?という仮説が新たに生まれた。
顎を親指と人差し指で挟むようにして思考を巡らせてナナの記憶の糸を探りながら誰にいうでもなく何やら独りごちる。そしてその後、『※ ※ ※ ※』ぶつぶつと何かを囁いた。
ナナの魔法は光を纏ったものや、光の呪文で統一していることが殆どだ。思考に偏りがあるからなのか、それ以外の魔法を使ったところを見たことがない。
__まだ未開拓な技は多いに違いない。
(ならば……新しく生み出すまで。)
目を閉じて全身に意識を向けるようにして全力で集中し出す。頭から足へボディスキャンするように意識を向けるのは案外難しいもので研ぎ澄ませれば研ぎ澄ました分五感が鋭くなり外部からの刺激に弱い。
いつもなら奇跡操作でソレが"あること"として生み出せるのだが、今回は多少なりと時間がかかってしまった。
そしてそれは突然起こった。頭の中でフッと沸いた一つのモーメントを掴む、と同時にナナ(キース)は言葉をまるで刺網のように引っ張り上げたのである。
「魔空の時に生まれた黒き羊の肉体にその名を刻め……光華の如く閃け!! ライトムーブ!!!!」
ナナの記憶にはない魔法の呪文を口にする。
瞳を閉じ、次に目を開いた時身体はそこにはなく意識だけ覚醒する。
『光は万物の中で最速であり、何も超えることはできない』とされ、そのうえでさまざまな理論が組み立てられ、この世界の姿かたちが説明されている。
物理学において時間と空間の基準となる特別な意味を持つ値でもある。
それは瞬間移動を超越した力。別名「ワープ」とも言えるだろう。
肉体を光へと転換し、これなら追いつくだろうと確固たる確証を信じて疑わなかった。しかし……
__バーン!! ガンガラガンガンガラガンガンガラ!!!!
ナナ(キース)は着弾点をしっかり狙って力を解除したつもりだったが、弾丸のように移動をしてきた身体をうまく制御できず、また、新たに覚えた力に馴れないせいもあって植え込みを巻き込みながら砂金達の前へと現れれたのであった。
きっと、身を隠すために植え込みの影に隠れたつもりだったかもしれない。
突然のふってきた稲妻のような光はそれらも照らし出した。
ナナ(キース)は瞬時に起き上がった。
「ホクシチのボスでなければ即死だった……。」
ピンクの衣装にフリルが似合うTHE・魔法少女は、痛々しく軋む身体についた土埃や枝や葉っぱを払いながらそうしみじみと思うのである。
そして砂金達の前に派手に登場したものの魔法少女にしてはカッコよく決まったものではなかった。
「逃げる事はないだろう……やましい事があるわけでもあるまいし。 __ん? 」
星の国から来たTHE・魔法少女から一変して、今度は悪そうな笑みを向けながらゆらりと近づく。
しかし、砂金の肩の上で暴れる少女の蘭花と、気を失った女性、疾風(牡石)を目にした途端『お前は誘拐犯だったのか?』と、今度はそのように捉えてしまい。
(/ナナさんの中の人に確認をとって造語の魔法を作りました!!)>All様
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